理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-101/116page

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   ○日なたも日かげもヒマワリの先の方につぼみの様なものがあった。
 ●つぼみかどうか疑問をもたせ、今後の世話と観察に期待と意欲をもたせる。
今度花の種子をまくとき、どんな所にまいたらよく育つと思うか。
・日なた26人 ・日かげ3人 ・日なたで土のよい所3人

7 考察
(1)算数科との関連を考慮した多様な観察の活動
事後に「ヒマワリの勉強をしておもしろかったこと、こんどまたやってみたいこと」を自由記述で回答させてみた。その結果、いろいろな物を使って育ち方を調べたことがおもしろかったと答えた児童が多い(53%)。また、自分の背丈をこえるぐらい高くなったことに感動している(31%)。これは、児童が自らの観察の目的に応じて調べ方を工夫しながら活動することの大切さを示している。児童は、自分の体でじかに感じとることによって植物に一層親しみを持ち、身の回りのものや、ものさしを使うなどの多様な活動が、ヒマワリの成長への関心を深めている。本単元は、算数化の測定やグラフ化と関連させて学習を展開させた。長さの単位による測定が便利であることに気付かせることも考えたが、測った草丈を紙テープでグラフ化したり、自分の背丈や顔、手、指などとヒマワリをくらべて話しかけながら観察することも、植物をくわしく見る眼を育て、植物に対する愛情を育てる上で重要な活動であると考えられる。
(2)植物と一体となる活動
この単元の様に観察が中心になる学習では、観察が形式的に流れ、単調な活動になりやすい。そこで、ヒマワリの身体検査をどのようにしてもち出すかが課題となった。ここでは弱々しい鉢植えのヒマワリを提示することによって「病気かな」「身体検査をしよう」とつながりができ、活動Bでの観察の観点や方法についての話し合いにも意欲的な発言が見られた。これは、以後の観察活動にも活発さを見せ、活動Cの後の評価にも見られるように観察にくわしさが加わり、成長を分析的に見ようとするようになってきている。
(3)日なたと日かげの成長比較の場の設定
活動Dで「日なたと日かげでヒマワリの身体検査をしよう」の課題で観察をすすめたが、これはやや唐突なきらいがあった。しかし、児童は、晴天で日なた、日かげの違いがはっきりしていたためか興味と関心をもって取り組んでいた。日なた、日かげの場所をいろいろ見つけて、まわりの状況について観察させたり、比較して違いに気付かせることにつとめた。日なたでの「暑いなあ」の連発、日なたと日かげの境での「日かげの土は冷たい。」「日かげは日があたらないから小さいのだ。」などの発言が聞かれ、植物の成長と日光や気温を関連づけて考えようとしていた。このことは、単に「日なたでは植物は大きく、日かげでは小さい」といった観念的なとらえ方でなく、自分の体で感じ、納得できる観察の時期や場を設定することの大切さを示している。

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