理科学習指導資料小学校低学年理科の指導-102/116page

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実践テーマ
虫を探したり、工夫して飼ったりする活動を通して、虫に対する興味、関心を深める。

1 単元名 虫をかってみよう
2 単元の目標
野外に出て、草むらの虫を探して見つけたり、捕えて飼い方を工夫したりさせながら、虫によって住んでいる場所や食べ物、動きに違いがあることに気付かせ、虫に親しませるとともに虫に対する興味、関心を深めさせる。
3 指導計画(総時数 6時間)
(1)野外で虫の採集をする………………………………2時間
(2)虫の喜ぶすみかを作り、食べ物を与えて世話をする………………2時間
(3)虫の運動会や虫の身体検査をする……………………2時間
4 児童の実態
本校は自然環境に恵まれているため、児童は虫に接する機会が多く、虫に強い興味と関心を示し、カブトムシやクワガタなどの飼育を経験している児童は半数(47%)に近い。しかし、秋の虫ではスズムシ以外の飼育経験は少い(23%)。特に女子ではその経験が非常に少く(19%)、虫に触れることのできない児童が3名程見られ、男子に比べ虫に対する興味、関心の度合いは低い。
このように、児童は、虫そのものに対する興味は非常に強いが、その親しみ方や関心の度合いは低く、虫をとりまく環境についてはあいまいな意識しか持っていない。したがって、虫の住んでいる場所や食べ物などについても十分意識されていない。(7.考察 表1、2参照)
5 単元構成と評価
1年の「かってみよう」2年の「虫をさがそう」の学習を通して、児童は、虫についての興味、関心がだいぶ増してきている。しかし、児童の実態からもわかるように生きものとしての虫に対して、親しみをもって接するといった態度や心情までは十分育っていない。
そこで、本単元では、コオロギの提示によって「虫とりをしたい」「虫を飼ってみたい」といった意欲をおこさせ、校庭や野原に出て虫の採集をする。草むらや落ち葉の下、石の下などから虫を実際に捕える活動を十分させ、虫の居場所や動きに関心を持たせる。次にとってきたコオロギやバッタを飼ってみたいという欲求で飼育を始めるが、虫と一体となって、一層親しみをもたせるための活動として、虫のすみか作りをさせる。更に、飼っている虫を使って虫の運動会や虫の身体検査をすることにより虫の動きや体の形とその動きなどに気付かせていく。
このように単元を構成したのは、虫を捕えて世話したり、虫と一体となって遊び、たしかめたりする活動によって、虫の好きな食べ物、それぞれの虫の形、動き、住む場所の違いの発見があり、それがまた、虫に親しみ、虫が好きになる場になると考えたからである。
評価は、虫を捕える場面での発見、すみか作りでの見通しと工夫、虫の運動会での活動の工夫や虫の身体検査での観察記録などを通してチェックする。


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