小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-026/98page
観点(2) (資料活用の能力)について
観点(2)の平均正答率は69%であるが、小問によっては50%〜96%の差がみられる。
1年生の場合は、資料を活用するというより自分たちの身近な社会的事象を具体的に観察させたり、経験させたりすることが大切である。そして、それらを絵や作文、動作化などを用いて具体的に表現させることにより、はじめて取り上げた社会的事象のはたらきに気づくことができるのである。
その場合、何を具体的に観察させるのか教師側がねらいにそった視点を明確にしておかないと、単なる観察、表現におわり、ねらいが達成されないことが多いので注意したい。
児童が社会的事象について表現した作品などを、授業の中に資料として大いに活用することも資料活用の能力を育てるのに役立つ。観点・小問ごとの分析 対策の視点 (3) 思考・判断 1 公園の使い方にきまりのあるわけ 正答率は、安全に使用できるようにするためが84%、気持ちよく使用できるようにするためが75%である。 誤答としては、公園を子供だけの遊び場としてとらえているものが多い。 〇 公園のイメージを遊園地としてとらえている感が強い。公園で遊んだとき、観察させたとき、どんな人がいたか、よく見せておくこ とが大切である。
〇 自分たちだけがのびのびと遊べればよいと自己中心的に考えているものが多い。「共用」という意識を持たせることが大切である。
〇 車止め、ぶらんこのさくなどの具体例を見せて安全への配慮に気づかせるとよい。2 道路の正しいわたり方 正答率は、赤信号のときの道路の正しいわたり方が78%、青信号の点滅のときの道路の正しいわたり方が65%である。 赤信号のときでも車がこないときはわたってもよいと答えたものや、わたろうとしたら黄色になったのでいそいでわたったな どの誤答が目立つ。 〇 学校のまわりの道路の観察のとき、実際に信号機のある交差点で実地に指導し、正しい歩き方を身につけさせることが大切である。
〇 信号機をみての正しい道路の歩行については、社会科の授業のほかにも、交通教室等の行事や日常の指導を通して意識づけておくことも大切である。3 給食室の道具や働く人の服装 大きなかまやしゃもじの使用についての正答率は78%である。働いている人数が多 〇 家庭用の台所用具と給食室用具を比較させ家族の人数と食事の量、全校生の人数と食事の量の違いに気づかせることも考えられる。