小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-034/98page
○ 身近に見られる草花の名称や形の特徴、草花を使った遊びなどはよく理解されているが、木の葉と木の実の特徴を関係づけてとらえることはよくできていない。花が咲く草花だけでなく、秋になるとどんな木がどのような実を結ぶかなど、野山に出かけて落ち葉や木の実拾いを直接体験できる機会を計画的に設けて、草木の特徴に気付かせることが必要である。
○ アサガオの種子の見分け方やまき方、発芽の様子などはよく理解されているが、水やりなどの世話のしかた、開花の順序などの理解が不十分である。アサガオの正しい栽培、世話のしかたをよく理解させながら、成長や開花の様子をしっかり観察させて模型を作らせたり、絵や言葉で表現させたりすることも大切である。特に、一つの花の開花の順序だけでなく、他のつぼみや咲き終わった花などに印を付けながら比較観察させ、一本のつるに咲く花の順序などもよく理解させることが必要である。
○ 身近な虫などの動物には興味を示し、探したりつかまえたりして飼育する機会は多いと思われる。しかし、体の特徴と動き、居場所などはよく理解されているとはいえない。ただ、興味本位に飼育させるだけでなく、動物が住む自然環境をよく考えさせたり、観察の観点をはっきりさせ親しみをもって飽育させたりしながら継続観察させるなどの指導をすべきである。
○ 風やゴムのはたらきに気づかせる動くおもちゃ作りなど、楽しく製作活動が授業の中に十分取り入れられるようになり、指導内容もよく理解されている。しかし、動きやはたらきの違いを比較する際条件を統一する見方、考え方が不十分である。学年の発達段階に合った遊びのきまり、約束をしっかり守らせていろいろ工夫させ、楽しく活動させながら、おもちゃの動きが風やゴムなどに関係していることに気付かせることが大切である。
○ 磁石のはたらきや磁石につく物、つかない物などはよく理解されているが、磁石の強弱は、形や大小でなく、くぎなど磁石に付く物の量で分かることもよくとらえさせておく必要がある。
○ 物によってできる影の形などはよく理解されているが、影の濃さや形のできる向きがよく理解されていない。物による影の大小や形の影にだけとらわれることなく、どんな影も同じ向きにできることや影のできる原因と結果を関係づけてとらえさせたい。そして、身近にあるいろいろな物を利用した活動を工夫させるなど、影遊びや影作りを通して理解させることが必要である。
○ 天気による地面の様子の違いについては、雨の日の理解が不十分である。雨の日に地面を流れる水や流れる様子がよく観察できるようなよい機会をとらえた指導が必要である。
○ 石を使った活動は楽しく興味もあり、遊びに適した石選びや形の似ている石遊びはよく理解されている。模様の似ている石選びはよく理解されていない。石の採集、石を使った活動など、安全に配慮して楽しく野外で学習させることも必要である。
◎ 第1学年理科についてのまとめ
〇 この学年では、自発的な遊びや活動が重視され、合科的、総合的な活動が授業の中に取り入れられている。そこで、見る、探す、育てる、使うなどの感覚や行動を通した活動、動作、絵、言葉などによる表現活動を大切にしながら、生物に親しみ、自然に接する楽しさを味わわせることができるような指導を工夫したい。