小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-051/98page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

きりとらえて比較実験させるなど、学年に合わせて指導の手だてを工夫する必要がある。
○ 空気の存在や集め方についてはよく理解されているが、水上置換によって空気を集める方法は正しく理解されていない。水中における空気集めの活動を十分にさせることが必要である。
○ おもりで動くおもちゃ作りなどよく理解されているが、おもりと動くしくみを関連させて考えることに抗抵があり、よく理解されていない。繰り返し作り直して工夫させるなど、おもちゃ作りの活動を十分にさせることによって、動きのきまりを発見させ、理解させることが必要である。
○ 豆電球が点燈する回路や電気を通す物、通さない物などについてはよく理解されているが、回路の作図やスイッチの位置を変えたときの点燈については、不確実である。点滅するおもちゃ作りをいろいろ工夫させながら活動させることによって回路の理解がさらに深まるものと考えられる。
○ 音がでているものは振動していることや、糸電話についてはよく理解されているが、さらに、振動が視覚や体感によってとらえられることができるような活動を工夫する必要がある。
○ 日なたと日かげの地面の様子の違いや、太陽の動きと影の関係などよく理解されている。よい機会にとらえて直接観察させて記録を取らせるなどの指導が必要がある。
○ 砂と土の固まり方、水の浸透のしかたなどの違いは、よく理解されているが、さらに、楽しい土や砂遊びを工夫させながら砂と土の違いに気付くような活動を工夫する必要がある。

◎ 第2学年理科についてのまとめ

〇 この学年では、工夫して育てたり、作ったり、また、繰り返し確かめたりなどの活動を重視しながら、身近な生物に親しませたり、その他の事物・現象にはたらきかけていく楽しさを味わわせたりする指導を工夫する必要がある。そして、自然に対する経験を重ねさせながら、事物の特徴や変化の様子に気付かせることが大切である。

〇 身近な動植物を工夫して飼育したり、栽培するなどして生物に親しみながら楽しく学習しているようであるが、動植物の領域の正答率が他と比較してやや低い。そこで、観察力も伸び、著しい特徴を全体的、直覚的にとらえられることができる時期でもあるので、できるだけ観察の記録を継続的にとりくませ、より確かな理解がはかれるようにすることが必要である。

〇 身近な素材などを利用して、工夫して作ったり、試したり、作り直すなど、楽しい試行的な活動を通して、事物・現象を調べ、その著しい違いを見い出し、事物の特徴、及び、変化の様子に気付かせることができるような教材の工夫や扱い方を検討することが大切である。このことが、児童の自発的な活動力を高め、理解を深めるために必要であると思われる。

〇 太陽の動きと影の様子や天気と地面の様子の違いなどについては、季節、時刻、場所等を考慮して多様な方法を工夫させ、太陽と関係があることをつかませたい。また、砂と土の違いについても、砂や水を加えたり、水に砂や土を入れたりする楽しい遊びを工夫させるなどして、自然に接する楽しさが十分味わえるよう配慮する必要がある。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]


掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。