小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-057/98page
観点・小問ごとの分析 対策の視点 (3) 社会的思考・判断
1 県内の市や町の特色 鉄道の便のよい郡山市については56%と低い正答率になっている。誤答例をみると「会津若松市」や「福島市」の指摘が多い 駅から出ている国鉄路線の数で判断しているように思われる。 自然条件の厳しい只見町は62%の正答率であるが、「会津若松市」と答えた例が目立つ。山間の町を、盆地の市ととり違えて 判断したためであろう。 国際港と工業都市のいわき市は、71%の正答率である。誤答例が双葉地方の「ア」と、会津若松市の「力」に集中しているの は、海のある地方で港の記号の見〇 地域の特色は、地形からみた自然的条件と鉄道や都市、道路などの社会的条件について明らかにしておく必要がある。
〇 鉄道の敷設状況などは、路線を色別にした地図やTPを使用し、白地図の作業などさせると効果がある。
〇 地形もTPを重ねて合成的に取扱う指導も必要である。
〇 特徴のある都市については、その時質を他の市と比較し、相違点をはっきりさせる指導が大切である。2 売り上げをふやすための商店会の努力や工夫 正答率をみると、駐車場の設置については88%、大売り出しは90%、外灯設置については85%である。 誤答としての選択肢の選び方は、「ア、店員の休養」「オ、児童公園の設置」「ウ、学校、プールの建設」の順に多い。商店会 の仕事を賑やかな中心街の情景と混同して、意味がとらえられないためと思われる。 〇 商店会のはたらきが商店街全般について、どのように役立っているかを考えさせること が必要である。
〇 個々の商店の活動と協力していることを分類させ、具体例をもとに気づかせる手だてを工夫することが大切である。
〇 商店会の活動の事実を見学や資料を活用して明確にとらえさせておく必要がある。3 工場団地をつくることによる利点 騒音対策上の正答率は70%であり、仕事の連携、協力については62%の正答率である。 誤答の傾向としては、ウ、オ、アの順に選技肢を指摘している。 〇 工場の位置は、自然的条件と社会的条件の両面から考えさせる必要がある。
〇 社会的条件については、交通と人々への影響、工場の相互連携など、企業経営のメリットや住民の健康について重点的に思考させることが大切である。