小学校「福島県標準学力診断検査問題」による学力分析報告書1984-066/98page

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れていると思われるが、空気の弾性ということに着目した思考面があり、正答率もきわめて低い。押し縮められた目に見えない空気のはたらきを推論させながら、それを確かめる活動を工夫させることが必要である。そして、押し縮められた空気は元にもどろうとする力がはたらくことを水と比較させながら理解させることが必要である。
○ 風車の回り方、はたらきを風の強さと関係づけてよく理解されているが、比較実験などにおける条件設定の考え方は理解されていない。条件を同じにするもの、変えるものをはっきりおさえて実験させる指導も大切である。
○光の集まる量と明るさと温度上昇の関係、虫めがねの大きさとあたたまり方の関係などはよく理解されているが、調べ方などの操作する能力は低い。比較実験をさせる際の手立てをさらに工夫する必要がある。
○ 磁石の性質、はたらきともよく理解されているが、磁石を切ったときの磁石は、それぞれどうなるのかよく理解されていない。対策の視点で述べた外に、ヘアピンやクリップを伸ばして作った磁石などを実際に切断させて確かめさせるなど、操作的に理解させることが必要である。
領域C (地球と宇宙)について
○ 天気の変化に伴う空の様子などについては、日常生活の中で毎日経験していることであるが、雲や風の変化についてよく理解されているとはいえない。気象条件は複雑に変化し、結果も刻々と変化する場合が多いので、気象条件に応じた観察の方法を工夫させるとともに、はっきりした観察結果が得られる時期や時刻を考慮する必要がある。
○ 空気、土、水の温度は、日光の当たり方や季節と関係があることなど、ほぼ理解されているが、グラフの見方や温度計の正しい目盛の読み方などの理解が著しく劣る。測定の結果をわかりやすくグラフ化させたり、温度計の操作技能を確実に身につけさせることが必要である。

◎ 第3学年理科についてのまとめ

〇 この学年は、身近な自然の事物・現象に興味を示し、すすんではたらきかける活動が見られる時期でもあるので、発達段階に応じた手立てを工夫して指導する必要がある。そして、事物・現象の差異点や共通点、変化のきまりなどを事実に基づいて見うけさせ、理解がより確かなものになるよう配慮して指導したい。

〇 A領域においては、身近な動植物について、春や夏など比較的観察し易い内容についてはよく理解されているが、年間を通した動植物の様子を季節と関係づけ、総合的にとらえようとする見方、考え方の能力が劣り、正答率も低いものが多い。「季節ごよみ」などを作成させるなど、直接観察した事実をもとに、気温・地温・水温と関係させながら興味を持続させ、意欲的にとりくめる指導を工夫する必要がある。

〇 B領域においては、「空気」「風」「光」「磁石」など操作を重複した活動をとおして、物の性質やはたらきを理解させ、変化のきまりを見出すことができるような実験など、操作方法をよく理解させることも大切である。特に、比較実験をして確かめる際の条件設定に伴う思考面が劣るので、

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