第2回全国研究集会報告書-005/60page
3 第1回全国研究集会(岩手大会)の総括報告
岩手県立総合教育センター 研究部長 石上博
▲このことについては,昨年10月「第1回研究集会報告書」としてまとめ,すでに各加盟機関に配布してございますが,「今回の第2回全国集会を,第1回大会の研究成果をふまえたものにするため,再確認しておきたいこと」にしぼって総括報告をいたします。
その1つは,前国研所長鈴木勲先生のご講演「日本の教育の課題」内容から次の点のご示唆をいただきました。要約すると次のようになります。
ア、現在,学校現場が抱える問題の多くが,学校教育が肥大化し,学校教育の限界が生じたことによると考えられること,また,そのことから,これからは家庭や社会の持つ教育機能の見直しと強化が必要になってきている。
イ、この共同研究では,個を生かす教育指導のあり方ということで,個性重視という視点からの研究に取り組もうとしているが,それはつまり,人間性の開発と人格の完成を目指す教育のあり方を解明するためのものであり,そういう視点からの,十分な論議をつくしてもらいたいと考えている。
ウ、学校教育の本来の目的は,知育であり,人類が,長い間かかって蓄積してきた英知の結晶を,きちんと子ども達に伝えることこそが,一番の仕事ではないかと考えている。
エ、荒れた学校の解消のためには,国民としての文化的常識を取り戻すことが必要で,そのための日本人としてのアイデンティティを,いかに育てていくかが問題とされなければならない。
▲2つめに,共同研究東北ブロック研究推進委員会でまとめた「個を生かす教育指導の在り方に関する実践的研究の推進にあたって」についてですが,第1回大会で研究推進委員会から,およそ次の3つの内容について説明いたしました。くわしくは,「第1回報告書」をごらんください。
(1)主題設定にあたっての基本
1)これまでの全教連の研究の成果をふまえ,これに基づいた研究であること。
2)時代の要請に応えるもので,全加盟機関の課題足りうるものにすること。
3)先導的研究であること。
4)現場の実践に直接役立つものであること。
5)各加盟機関の要請に即したものであること。
(2)研究主題に関して
1)「個を生かす」とは,「教育指導」とは,「実践的研究」とはといったことについて,それぞれ,どのようにとらえ,研究を進めていけばよいかということについて,研究推進委員会として考えることを述べております。
(3)共同研究を推進するにあたっての共通の基盤について