第2回全国研究集会報告書-016/60page
一斉指導における個別指導に関する調査研究
埼玉県立南教育センター 指導主事 関根広
1.研究の目的
個性を生かす教育を充実するために,一斉授業において学習の個性化を図る具体的な手だてを検討する。さらに,手だてを生かすための授業の流れ「指導過程の流れ図」についても検討したい。
2.研究の内容
(1)研究の仮説
一斉授業の中で,指導の個別化を図るためには,一斉指導と個別指導を適切に組み合わせることが効果的である。そのような授業を通して,学習の個性化がはかられ,生徒一人一人の個性を最大限に伸ばすことができるであろう。
(2)研究概要
一斉授業の利点を生かし,その欠点を補うためには,一斉指導,個別指導の特徴を把握し,それぞれの利点を生かさなければならない。一斉指導が効果的な場合は,
1)学習計画を提示する場合
2)討論や話し合いを通しての集団解決の場合
3)知識の確認や学習のまとめをする場合等である。また,一斉指導で効果的でないと考えられるのは,児童生徒の個人差に対応した指導が必要な場合である。個人差について私達は,主に次の2つについて注目した。
1)達成度としての学力差
2)興味・関心の個人差
この2つの個人差に着目して,中学校における,国語,社会,数学,英語の4教科で,個人差に応じた個別化の具体的な手だてを検討し,検証授業やテスト,アンケート等によって,その有効性を検証した。
3.今後の課題
学習の個別化のために,学習スタイルの差すなわち認知の方法の個人差や学習の仕方の個人差に応じた指導方法についての研究や,さらに,学習の個性化についての研究を今後の課題と考えている。
(注)(1)小学校教育課程一般指導資料3 昭和59年11月 文部省