第2回全国研究集会報告書-018/60page
個性を伸長し創造性の育成をめざす学習指導の研究
山形県教育センター 指導主事 早坂潔
1.研究の趣旨
(1)臨教審(最終答申)の「個性重視の原則」で指摘されているように,個性を伸長し創造性を育成することは,今後の教育に課せられた最も重要な課題である。
(2)学力調査の国際間の比較によると,我が国では,諸外国に比して知識としてのレベルは高いが,創造性にかかわる能力などが,落ち込んでいるという実態が浮き彫りにされた。
(3)山形県では,教育の基本目標に「創造力に富み,自主性のある県民の育成」を掲げ,創造性・考える力・表現力等の伸長を図ることを重要視している。
(4)これまで,創造性等に関する理論的な面での研究はなされているが,どのような方法で創造性を育成するかという具体的な方策はまだ模索されている現状である。これまでなされた理論的な研究を,どのようにして教育の現場に生かし,個性を伸長して創造性を育成するかを探る。
2.研究の内容
(1)研究のねらいを,「学習指導の中で創造性を育成していくために,各教科の基礎・基本をどのようにとらえ,子どもたちの個性を重視した授業をどう実践していくかの方策を探る。」と設定し研究をすすめた。
(2)そのため,「個性」「創造性」の概念を明確にし,関連づけを図っていく。その中で,個性を伸長し創造性を育成するための土台となる,「基礎・基本」の存在に着目した。
(3)個性を伸長し,創造性を育成するための「基礎・基本」の内容を明らかにする。特に,情意的側面に目を向け,具体的には興味や関心,意欲や態度等を重視していく。
(4)教育の現場の学習指導の中で,創造性を育成するためにどの程度の配慮がはらわれているかを探るために,教師に対して「学習指導に関する調査」を実施する。
(5)調査をまとめるとともに,研究仮説を設定する。
3.結果と考察
(1)調査の集計結果とその考察
(2)研究仮説の設定
4.今後の課題(研究の方向)
(1)中学校教員を研究協力者に委嘱し,研究協力者会議で研究の進め方を検討する。
(2)研究仮説に基づいて学習指導案を作成する。
(3)授業を実践し,分析する。