第2回全国研究集会報告書-024/60page
2)部会主題に関する研究協議内容
○個性を生かす学習指導のあり方に関する研究では,教師の個性のとらえ方が問題で,児童・生徒を理解することが個性を生かすことのキーポイントである。
○個性をある一面をとらえてレッテルをはった見方では学習に生かすのは難しい。子供の生き方,学習の仕方などを十分とらえていかないと,個性を生かす研究にはならない。
○集団とのかかわりにおいて個を伸長させるためには,認知面,技能面,情意面の全体から個をとらえ,教師側の姿勢として一人一人の子供を尊重することが大切である。
○一斉授業における個別指導の研究では,個性を分析して考えていかなければならない。
○認知面の研究では,子供自身の必然性の問題が子供の反応に大きな作用を及ぼす。
○個を生かすには,教師の子供に対する意識と,子供自身の自己評価のずれは問題である。このような調査結果を提示することで子供理解の一部に役立つのではないかと考える。
○共同研究のテーマは何を求めているのかの確認をしたい。
・これから育っていく子供連が学校を出て,生涯学び続けていく人間を育成していくことなのではないか。その時最も大切なことは自分のもっているものを発揮してあたる以外にはない。
・自分もやればできるという人間の育成で,それを発揮させるのが個性だと考える。
・個性を生かす教育においては,自ら学ぶことが本当に楽しいのだということの育成が目的化されていなければならない。こうした視点の方向性が必要である。
・この研究のテーマが新学習指導要領とどうかかわっているのか明確にしていく必要がある。
3)部会発表に関する研究協議内容
○個を生かす研究では,子供をトータルとしてみなければいけないと思うが,本日の研究発表の中には学習スタイルなど,ある類型化された研究内容があり,トータル的な見方との結びつけを今後どのようにすればよいか研究していかなければならない。
○個のとらえ方においては,ある子供の問題点を明確にしたうえで学習活動にそれを生かしていくようにする。
○個人差のとらえ方として,達成度,学習の仕方,学習スタイル,興味・関心,生活経験の5つの面からそれぞれに対応した研究を進める。
○子供の問題解決の方策にはいろいろあるが,視点だけは教材研究の時点でとらえることができるので,視点を分類して教材研究をすすめ,真にわからせることを目的に研究しなければならない。
○子供を変えるには教師も変えなければならないということで,教師の問題意識に関して研究している。
○教師の人間としての生き方の変容をとらえていくことによって,学習活動への切り込みの視点があるのではないかと事例研究をしている。