第2回全国研究集会報告書-025/60page
○子供の学習意欲は教師による影響が非常に大きい。教師の指導に関する客観的データはあるが,公表するには問題がある。
○類型化といっても子供にレッテルをはるのではなく,あくまで子供理解の一部と考えている。
○帰納的学習スタイルと演繹的学習スタイルの根拠を伺いたい。
・普段何げなく思っていることをそのまま仮説にしただけで特別の根拠はない。しかし問題解決的学習を帰納的学習スタイルと考えると,一方においては教師の説明が主になる授業もあるわけだから,いろいろな学習の実態をつかみたいということで,これらのスタイルを考えた。
・最初学習スタイルは興味・関心というものに比べて固定的なものと考えていたが,不変なものではなく流動的にとらえていかないと,実際の学習指導には生かされない。
○学習スタイルの中で授業に使えるものは選択学習的なものではないかと思う。自分で自主的に判断できるようにすれば,能動的な学習が行なわれるようになる。子供の学習スタイルの変容をもっと長いスパンでとらえていかなければならない。
4)部会協議まとめ内容
(1)話題提供(事務局のまとめ)
(ア)これまでの経緯
個別化教育(1980年)→自己教育力(1986年)→個性化教育(1989年)→「個を生かす」
(イ)個を生かすとはどういうことなのか
・個の存在を大切にする。……個を尊重する。集団の中の個を尊重する。
・個の特性を生かす。…………個の特性を伸長する。個の特性を活用する。個というものを生徒全体,学習者全体としてとらえている。
○「21世紀に向けて創造的で活力ある社会を築くことに資する人間」の育成を目ざすということで人間がもっている能力の全てのものが結果的には個を生かし,たくましい人間が育つと考える。
○認知的側面,情意的側面が調和を保って,他者受容,自己表出を基盤にした社会性をもち,主体的,自立的に活動できる実践力を備えた個性豊かな児童生徒を育成することを目ざす。
(ウ)事務局の考え方
○第一部会としては基礎・基本を徹底したうえで個性の伸長を図っていく。基礎・基本は無視できないが,基礎・基本ができないと個性が伸びないということは明言していない。このことに関しては弾力的に独自に判断して欲しい。
○これまでは認知的領域を重視しすぎた傾向があるので,情意面での生徒そのものを認めてやることが今回の研究では大切になってきている。
○個と集団のかかわりを無視しないこと。個と集団をたえず意識することが大切である。
○自己教育力の延長として,生き方の探求,前向きの姿勢として自分自身を教育できるような,たくましく生きる人間をつくること。
○具体的に個を生かす教育指導の在り方に関する実践的研究の視点としてまとめてある。これが形