第2回全国研究集会報告書-028/60page
第2部会
1)研究発表概要
対人関係からみた登校拒否の実態と分析
滋賀県総合教育センター 調査資料係長 椋田幸男 研究員 安江郁夫 1.研究の趣旨
「登校拒否」については,今までにも多くの研究がなされ,さまざまに論じられてきたが家庭,学校,社会等の要因が複雑に絡み合い,本人の自我発達の障害が学校における人間関係のなかで生じると考えられる。そこで,この問題を教育実践的立場から再考してみると,それぞれに異なった原因を抱えているものの『対人関係の不十分さ』は,多くのケースに共通してみられる徴候である。
しかも,この不十分さは教師の働きかけにより,本人との関係を築くとともに,本人をめぐる人間関係の改善が図られ,問題の解決への手掛りが得られると考える。
2.研究の内容
本研究は,県内登校拒否児童・生徒について,「対人関係」に焦点を当て調査し,対人関係の類型化や欲求・行動レベルでの分析,指導法の実態の分析等を通して,特徴的な傾向や教育実践上の課題を探ったものである。
3.調査の結果と考察
(1) 拒否児の対人関係の状況 (3) 指導方法の実際 ○ 対人関係の状況と類型 ○ 指導方法の状況 ○ 対人行動の状況と類型 ・家庭訪問 ○ 欲求と行動 ・級友の「連絡」について ○ 信頼関係 ・相談機関との連携 ○ 認知的側面について ○ 本人との関係づくりの実際 (2) 人的環境と欲求との関係 ・本人と「遊ぶ」 ○ 級友・担任との関係より ・保護者,級友への働きかけ ○ 家族関係より ○ 再登校へ向けて ○ 養育態度との関連 ・再登校のきっかけと分類 ○ 生活経験より ・関係類型と再登校 ・幼児期での遊び ・けんかの経験 ○ 〔指導面でのまとめと考察〕 ・転居の経験 4.まとめと今後の課題(略)