第2回全国研究集会報告書-029/60page

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個性を生かし,個が生きる教育指導の在り方に関する研究

第一年次 ―個を生かす教育指導における調査研究―(教科外)

宮城県教育研修センター 指導主事 川島克

1.研究の趣旨

 昭和62年8月に臨教審答申がまとめられ,その中で今後の教育改革の方向が明らかにされた。その教育改革の視点として,1つは個性重視の原則,2つは生涯学習体系への移行,3つは変化への対応があげられている。これらのうちの中心的柱は,なんといっても「個性重視の原則」にあるといえる。これまでのわが国の教育の「画一性,硬直性閉鎖性」を打破して,個人の尊厳,個人の尊重,自由・自律,自己責任の原則,すなわち「個性重視の原則」を確立することが,いままさに現場における教育指導の中に求められている。

 そうした考えのもとに,本県教育研修センターでは,これまでの教科における個別化教育に関する研究や自己教育力を育てる指導の在り方の研究を基礎に,平成元年度より3ケ年にわたり,全教連の共同研究に合わせて,「個性を生かし,個が生きる教育指導の在り方に関する研究」をテーマに実践研究を進めることとした。

2.研究の計画と内容

 本研究の第1年次である今年度のテーマを「個を生かす教育指導における調査研究」とし,県内の小中学校及び特殊諸学校を対象に「個を生かす教育指導」の実態と意識の調査を実施した。

(小学校……41校,中学校……28校,特殊諸学校……4校)

 調査の内容は,校長または教頭が学校経営の面から答えてもらうもの(1)と学級担任・教科担任が教育指導の面から答えてもらうもの(2),さらには,小学校5年生と中学校2年生の1クラスを対象に児童生徒(3)と保護者(4)に答えてもらうものの4種類とした。

 以上の調査結果を集計し,考察を加え,全教連のいう「人間総体」としての個とは何か,「個を生かす教育指導」はどうあらねばならないかについて研究し,2年次の授業実践のための基礎理論を構築すると同時に,研究の方向付けをしていきたい。

 教科外及び領域における「個を生かす教育指導」の在り方については,1)道徳,2)特別活動,3)教育相談,4)情報教育,5)特殊教育の5つの分野について考察し,今後の教育指導の実践にあたっての学校現場における授業や活動のあり方を提言したいものと考えている。

 なお,2年次の計画としては,テーマを「個を生かす教育指導の実践研究」とし,学校教育における実践の可能性と有効性を探っていきたい。また,3年次には,「個を生かす教育指導における評価」をテーマとして,実践研究において検証されたことに基づいて,更に評価の面からの研究へと進めていきたい。


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