第2回全国研究集会報告書-034/60page

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2)部会主題に関する研究協議内容

 岩手県立総合教育センターの馬場英彦先生より,「第1回大会のまとめと今後の方向」について提言がなされた。以下,その研究協議の概要である。

○「個を生かす」指導の在り方について,文明論的な視点から評価検討していくことが望ましい。「21世紀にむけて…」という以上,未来に向けて明確なビジョンを持ち,地域や文化宗教などとのかかわりから,日本人として誇りを持てるような児童・生徒を育成すべきである,「個性を育てる」ということは,「美しい生き方」ができるようにすることでもあろうし,さらに探求したい。

○事務局で準備した資料は貴重な示唆に富むものであるが,5ページの「研究でめざす子供像は,記載されている3つの要素(認知的,情意的側面の調和,他者受容と社会性,主体的実践力)を備えることだけで「個性豊か」になると言えるかどうか,さらに検討したい。

 また,9ページの表についても,今後十分な分析や吟味が必要に思われる。

○事務局資料の6〜7ページの(1)〜(3),「認知的側面と情意的側面の調和」「個と集団の相互作用」「生き方の探求」は,概念のレベルや内容について吟味が必要ではないだろうか。

○新しい「指導要領」でも文言が,児童・生徒の側に立った表現になりつつある。「個を生かす」というのは,指導者側に立った表現である。「個が生きる」と表現した方がより適切ではないだろうか。

○先行研究としての「個別化教育」の実践,「臨時教育審議会答申」等を踏まえて,「個」や「個性」,「個別」や「集団」といった概念についての共通理解を深めることが大切である。

 その上で,「個を生かす」教科外指導の稔り多く豊かな実践的な研究が可能になるものと考えられる。

3)部会発表に関する研究協議内容

(1)「対人関係からみた登校拒否の実態と分析」
滋賀県総合教育センター 調査資料係長 椋田幸夫
  研究員 安江郁夫

○発表の要旨

 登校拒否の児童生徒の「対人関係」に焦点を当て,川事例について学校訪問による詳細な調査をし,対人関係の類型化や,欲求・行動レベルでの分析,指導法の実態等の分析を通して,特徴的な傾向や教育実践上の課題を探った。

○<質疑より>

 事例から,小学校低学年の登校拒否の特徴の一つは,両親の不一致,複雑な家庭環境などで起こることが多い。また幼児期を含めて,家庭で過保護にされてきた児童は,中学校に行ってから登校拒否になる傾向がある。また中学校女子の登校拒否生徒は,一般に担任になじみにく


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