福島県の中学校の学習に対する意識と行動-078/115page

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2 数学における学習行動

(1) 問題演習において

 ここでは,最初に次のような文章題を提示して,普段の学習行動を想起させながら,回答させた。A君は,家から学校まで行くのに,歩いて行くより自転車の方が30分早く着く。歩く速さを時速4Km,自転車の速さを時速12Kmとする。家から学校までの距離を求めなさい。

 「自分で考える」「自分で調べる」と答えているのは,ほぼ半数である。あくまで「自分で考えようとする」生徒は,少ない。学年が上がるにつれ,「きく」対象が,家族から友人に変わっていくのも自然なことであろう。

 個別学習においてもグループ学習においても,ほぼ半数の生徒が自分から問題を解決しようとする意識を持っている。そして,そのような意識は,低学年や成績上位層,数学が好きな生徒に多くみられるが,高学年や成績下位層,数学が嫌いな生徒では,問題解決への意欲が減退し,まず誰かに聞いたり,後で答えだけを聞くといった依存的な傾向が強くなる。文章問題を解く際にも,ほとんどの生徒が,図示しながら考えるとしているものの,学年が進むにつれて,あるいは下位で数学嫌いの生徒ほどその割合が少なく,あきらめてしまう生徒も多い。

 また,問題解決のための援助を求める対象として,まず「教師」を選ぶ生徒は約3割と少なく,比較的数学が好きな一部の生徒に限られていると言える。他の生徒は成績が下位で数学が嫌いな生徒ほど友人に聞くか,あきらめてしまうような傾向が見られる。

 家庭学習の内容を見ると,復習をしている生徒は多いものの予習をしている生徒が少ない。また,学年,成績,好き嫌い別に見ても,各グループ間にそれほど大きな違いは見られないが,数学が嫌いな生徒に宿題しかしない生徒がやや多く,3年生に参考書などで学習する生徒がやや少ないことが気になるところである。

1) 問題の意味が理解できないとき

問題の意味が理解できないとき、どうしますか(学年別)
問題の意味が理解できないとき、どうしますか(学年別)

 「自分で調べる」,「自分で考える」で約半数であり,次に「友達に聞く」の順である。また,「自分で調べる」が各学年で変化は少なく(32.1%,34.0%,32.5%),学年が進むにつれて「自分で考える」が多くなるとともに「家の人に聞く」が減少している。



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