平成9年度学力到達度調査研究-023/62page
当たり」の意味をしっかり把握させた上で,基準にする量を単位量にすれば,条件を簡単にそろえることができ,便利であることに気づかせることが必要である。
○ 児童に提示する問題の内容を吟味しよう
児童が解決しようとする必要性を感じ,「単位量当たりの数量」の理解を深めるために,下の問題のように児童にとって関わりの深い場面からの問題を提示し,興味・関心を高めたい。さらに,異種の2量を比較する際は,一方の量を同じにして,もう一方の量で比較するという考え方を児童が発見できるような問題が望ましい。
問題の数値は,計算のミスによって本来の目的を見失わないように簡単にする配慮もしたい。簡単な数値であれば,最小公倍数を見つけて比較をしょうとする児童にとっても,抵抗が少なくなると考えられる。
【問題】
右の表は,宿泊活動の部屋割りです。こんでいる部屋はどこでしょう。
A室 B室 C室 たたみの数 10枚 10枚 8枚 子どもの数 6人 5人 5人
○ 問題提示の仕方を工夫しよう
A室とB室だけを見せ,「どちらがこんでいるか。」を考えさせる。両室とも同じ面積で,A室の方が人数が多いことから,A室の方がこんでいることを確かめさせる。
次に,B室とC室を見せ,同じように考えさせる。同じ人数であるが,C室の方が面積が小さいため,C室の方がこんでいることを確かめさせる。このように提示することで,「こんでいる」という意味を把握させることができ,一方の量をそろえるアイディアを強調することができる。さらに,「A室とC室はどちらがこんでいるのだろう。」という,児童からの新たな問いが生まれやすい。
2) 「求積」の指導
「概測(池の面積)」は,中領域「およその大きさと平均」で全国比が低い小問であり,「複合図形の面積1」は,すべての小間中全国比が最も低いものである。いずれも柔軟な思考が要求される内容であることから,2つを関連させて求積の指導について述べる。
ア 小問例1「概測(池の面積)」 (平成7年度全国比73,平成9年度全国比79)
次のような形をした池があります。この池の面積はおよそ何m2といえばよいですか。答えは,ア〜エの中から1つ選び,その記号で答えなさい。
ア 20m2
イ 30m2
ウ 40m2
工 60m2