平成9年度学力到達度調査研究-022/62page

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思考内容としては複雑なものである。

右の【資料1】を見て分かるように,「単位量当たりの数量」の単元は,5年生の算数学習内容の中で,最も分かりにくい単元にあげられた。

【資料1】《分かりにくい単元》 (「意識調査」より)

順位 単元名 選択(%)
1 単位量当たりの数量 45.0
2 文字と式 37.3
3 百分率とグラフ 35.3
4 体積 34.7
5 倍数と約数 34.3

※ 5年生の単元の中から,6年生の児童が複数選択したものである。

さらに,【資料2】によると,「単位量当たりの数量」の小間の「無解答」が19.6%を占めている。解答分類の「単位量当たりの考えの理解不足」については,Aの自動車について「700÷50=14」,Bの自動車を「900÷80=11.25」と正しく立式し計算しているにもかかわらず,Bの自動車の方が長く走ると答えた児童であり,6.0%見られた。「立式誤り」は道のりとガソリン量の積を求めた児童で,4.8%見られた。

これらのことから,「単位量当たりの数量」の内容を正しく理解できていない児童が多いことが分かる。しかし,「単位量当たり」の考えは,乗法や除法の学習で,例えば1皿当たり3個というように既に学んでいる。5年生になり連続量を扱うことから「単位量当たり」を意識させることになるが,今までの学習と結びつけて考えさせることで,児童の学習への抵抗が少なくなると考える。その際,「当たり」などの言葉そのものの理解が不足している児童がいることも考慮して指導することが必要である。

【資料2】(「平成8年度調査」より)

次の表は,AとBの2台の自動車について,走った道のりと使ったガソリンの量を調べたものです。ガソリン1L当たりで走る道のりが長いのは,どちらの自動車ですか。

  走った道のり(km) 使ったガソリン(L)
A 700 50
B 900 80

解答分類 解答率 (%)
A(正答) 66.6
単位量当たりの考えの理解不足 6.0
立式誤り 4.8
その他 3.0
無解答 19.6

ウ 指導の要点

○ 児童がつまずく言葉に配慮した指導をしよう教科書では「単位量当たりの数量」の導入問題として,公園で遊ぶ児童のこみぐあいを素材にし,面積と人数の異種の2量の割合を量として比較する場合が多い。この際の指導の留意点は,面積が同じなら人数が多い方がこんでいるということである。特に,「こんでいる」の言葉の意味を理解させたい。さらに,「1m2当たり」,「1人


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