実践のための学校教育相談ハンドブック-054/083page

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 Z 知っておきたい発達や心の問題

児童生徒を理解する際には,心身の正常な発達や,心理状態が身体症状となって現れやすい心身の相関現象について知っておくことが重要です。発達の道筋や速度には個人差があることや,発達に障害を持つ児童生徒がいること等を認識しておくことも大切です。また,発達の個人差や障害には脳の障害等の先天的な要因も影響していることについての理解も必要です。これらのことを踏まえ,児童生徒にどのようにかかわればよいのか考えていきます。

 1 かかわりの基本 〜より良いかかわりのために〜

けがえのない存在 みんな違う個性を持っている

目の前にいる児童生徒は,どの子も世界でたった一人のかけがえのない存在です。児童生徒一人一人は,みんな違っていて,みんなそこに存在するだけで尊い価値があります。互いに人としての尊厳を認め合うことこそが,すべての基本です。特に,発達の遅れやアンバランスが見られる児童生徒や,一時的に心の状態が揺れている児童生徒などに対しては,教師が,偏見と誤解を持つことなく,その児童生徒をありのままに理解し温かく接することが,とても重要です。

ぞく(家族)も病み,支援を求めている

家族も病み,支援を求めているもし,児童生徒に発達の遅れやアンバランス,心の問題等があるとしたら,一番身近にいて心を痛めているのは,親や家族です。

まず,親や家族が様々な問題に対して今どういう心境やプロセスにあるのかを十分理解することです。親や家族が児童生徒の様々な問題を受け入れていくプロセスとしては,一般的には以下のプロセスを経ると言われています。

ショック
否定と否認
怒りと悲しみ
 
受容と適応
問題の再構成と立ち直り

特に,児童生徒が障害を持っていることを受け入れていくプロセスは,親や家族にとって並大抵のことではないことを知っておく必要があるでしょう。

次に,親や家族が児童生徒の様々な問題や障害をきちんと受け止められるよ


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