実践のための学校教育相談ハンドブック-055/083page

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うに,教師が,共感的に支える姿勢が必要です。そして,親や家族自体が,つらく苦しく混乱しているプロセスにこそ,教師が親や家族とともに,児童生徒へのかかわりを考えていくことが大切です。

かり合う信頼関係 その子に合ったかかわりがある

その子に合ったかかわりを考えていくには,まず,教師と児童生徒,教師と親との信頼関係を築くことが大切です。児童生徒をあるがままに理解するためにも,親からの情報(生育歴や家庭生活での様子)を大切にします。また,児童生徒は発達の途上にある存在であることから,児童生徒の可能性を信じ,その子の特性に配慮したかかわりをする必要があります。

教師は,今までの経験や考え方だけに固執せずに,その子のありのままの姿からスタートし,その背景をとらえ,その子に合った適切なかかわりを工夫していくことが望まれます。不適切なかかわりは,自己否定感を強め,思春期の時期に二次的な問題を引き起こすことにつながることもあります。そのため,早期に発見し,早期に対応していくことが重要です。

ふぁー(リファー) 一番いいかかわりが生まれる

リファー(委託・紹介)とは,指導援助の方法の一つです。ややもすると教師は,一人ですべてを抱え込みがちです。その意味で,自分ができることできないことをはっきりさせておく〔限界を知る〕ことが大切です。特に,発達や心の問題をかかえている児童生徒には,医学面のアプローチが有効な場合があります。

その点で,医療機関や専門機関へのリファーも視野に入れることが必要です。実際にリファーする場合には,これまでと同様に見守っていくことを伝え,それらの機関と連携しながら対応することが求められます。それと同時に,校内での連携も大切です。例えば,その年度内の連携はもちろんのこと次年度への引継ぎの問題があります。特に,どんなかかわりが有効か,有効でないのかをはっきりさせ,具体的なレベルでの連携・引継ぎをしたいものです。教師同士が,ともに手を携えて,積み上げる連携を考えていきたいものです。


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