すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-017/114page
小学校体育科
みんなでできる,楽しく学べる体育の授業
〜「体ほぐしの運動」を取り入れた器械運動の工夫〜
本来,器械運動には,日常生活ではなかなか経験できない動きに触れる楽しさがあります。さらに,「できるようになった。」,「上手になった。」という達成感や感動も味わうことができます。
しかし,児童からは,「なかなかできるようにならない。」,「恥ずかしい。」といった声も聞かれ,改善すべき点もあります。
そこで,工夫ある「体ほぐしの運動」を取り入れて,「みんなでできる,楽しく学べる器械運動の授業」をつくってみませんか?
〈教え合い,励まし合いながら学ぶ姿〉
1 はじめに
新学習指導要領で新たに示された「体ほぐしの運動」について確認しておきたいと思います。この運動は,児童の心身の健全な発育・発達を促すためには,心と体を一体としてとらえた指導が重要であるとの考えから示されました。
「体ほぐしの運動」は,手軽な運動や律動的な運動を行い,体を動かす楽しさや心地よさを味わうことによって,自分や仲間の心の状態に気付き,体の調子を整えたり,仲間と交流したりする運動です。この運動は,「体力を高める運動」とともに従前の「体操」領域に位置付けられ,それに伴い,「体操」領域の名称が「体つくり運動」に改められました。
「体ほぐしの運動」の行い方の例として,次の3つが示されています。
@ 単独単元として行う。
A 「体力を高める運動」と組み合わせて行う。
B 各運動領域の導入として行う。
今回は,Bに相当する,器械運動の導入として積極的に取り入れた例を紹介します。