すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-026/114page
(3)学校でも導入が可能なビデオ編集システム
現在では,一般的なビデオの編集においては特別な機材を必要としません。コンピュータによる手軽なビデオ編集のシステムは,ここ一年余りの間に急速に普及してきました。デジタル・ノンリニア編集,あるいはDTV(デスク・トップ・ビデオ)と呼ばれるものがこれで,現段階で学校への導入も十分に可能なほど低価格化が進んでいます。
このシステムは,コンピュータにデジタルビデオカメラを直結して※1映像(動画)データを取り込み,ソフトウェアを使ってビデオを編集するものです。その利点としては,
○ ダビング編集と違い,映像の追加,削除,順序の入れ替え等が容易である。
○ 画面転換(トランジション)等,映像の特殊効果を簡単に加えられる。
○ 映像だけでなく,テロップ,ナレーション,BGM等,文字や音声も扱える。
○ 元となるデータがデジタルなので,編集,取り込みを何度しても画質が劣化しない。などがあげられます。この基本となるシステムに加えて,イラストレーションや写真などの静止画像を取り込むスキャナがあれば申し分のない環境といえるでしょう。
また,編集用のソフトウェアは,学校や家庭で使用するには十分な機能を持つものがワープロソフト並の価格で購入できますし,コンピュータを購入すると付属ソフトとして付いてくるものもあります。ソフトウェアごとのマニュアルも多数市販されています。
今回,この編集システムを美術の授業で利用しましたが,これ以外でも,課外活動や行事の記録,ビデオによるレポートの作成,学校や部活動の紹介,総合的な学習の時間での活用等,学校においても様々な利用が考えられます。書き出す映像の画面サイズを小さくすれば,各学校のホームページで公開することも可能です。
※1 ケーブル一本で直結してデータを取り込むためには,コンピュータとビデオカメラ双方にIEEE1394(アイ・トリプルイーいちさんきゅうよん)という標準規格に準じた端子が必要になる。商標となっている FlreWlre,i-Link,またはDV端子などがこれにあたる。
〈ビデオ編集ソフトウェアのモニタ画面2例〉