すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-027/114page
2 授業の実際
今回は2学年の選択授業2クラスにおいて授業を実践することにしました。両クラスとも5つの制作グループで編成し,各グループは生徒2,3名で構成しました。
グループごとにコンピュータ,ビデオカメラ,スキャナを1台ずつ割り当てました。
(1)題材提示と大テーマ(キーワード)の設定
準備段階として,演習活動の中で,コンピュータによる映像編集のシステムを大まかに理解させました。その後,題材名を「ムービー・メッセージ」と提示し,自分たちの考えやイメージを相手に伝えることを目標において,1〜2分程度の映像作品にまとめ上げることとしました。
テーマは,映像の軸といえる動的,時間的要素を意識して制作させるように,「躍動」と「変化」の2つの大テーマ(キーワード)をクラス別に設定し,これをもとにグループごとにアイデアを出し合い,話し合いながらグループ・テーマを決定させました。
〈演習活動後,題材を提示する〉
(2)発想・構想段階での手立て
グループによる制作活動においては,作品に対する共通したイメージをいかに持ち得るかが重要になってくるため,発想・構想の段階におけるグループ活動では2つの手立てを講じました。
@発想や構想段階での付箋紙の活用
グループ・テーマの模索や,映像のアイデアを持ち寄る段階では,グループの活動を活性化させるために付箋紙を利用しました。大テーマやグループ・テーマから連想した単語や,映像 ・音などのアイデアを思い思いに付箋紙に記入し,台紙に貼りながら検討を重ねていきました。
付箋紙の活用に関しては,ブレーンス卜ーミング※2的手法でアイデアを自由に出し合ったり,KJ法※3のように類型化したり,映像の流れを考えながらフローチャート状に並べ替えたりと,
〈付箋紙を活用したグルーブ活動〉