すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-035/114page
即興創作をする時に,次の点を生徒に留意させます。
○ 互いの速さ(テンポ)を一定に保つこと。中庸より少し遅めの速さがよい。
○ 最初は1拍1音の単純なリズムから始め,慣れてきたらリズムに変化を付けていく。
また,多声形式の場合には,それぞれの音型やリズムのパターンをくり返しながら重ねていく方法(楽譜参照)と,まったくの自由即興で重ねていく方法があります。
即興創作は,前ページの形式の組み合わせによって様々なバリエーションが考えられます。また,以下の3つの音階に調弦を変えて即興創作をすることもできます。
@ 律音階(雅楽※1や声明(しょうみょう)※2など)
A 民謡音階(わらべうたや民謡など)
B 琉球音階(沖縄音楽)
※1 平安時代の宮廷音楽。『越天楽(えてんらく)』などが有名。
※2 仏教において僧が節をつけて唱えるもの。(4)『さくらさくら』を使って合奏段物作品を創作し,互いに聴き合う。(展開その2)
箏の奏法に慣れてきたら親指,人差し指,中指の3本に爪をつけます。箏は,13本の弦を平調子(ひらちょうし)※3に調弦し,『さくらさくら』の本手(旋律)と後弾(あとび)き(後奏)を学習します。その後の活動として,本手と合奏する替手(かえて)(伴奏または装飾的な音型など)のパートをグループごとに創作します。最終的に,グループごとの合奏を一つにつなぎ合わせ,箏曲の古典形式である段物(だんもの)※4作品「○段桜」として完成させ,互いに聴き合う活動をします。(○の中にはグループの数が入ります。)