すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-101/114page
2 4つのやりとりの事例提示
次のやりとり(資料1)の中で,お互いにとって気持ちのよいやりとりは,どれですか。
(資料1) ア 「○○さんの絵,色使いがとてもいいね。」 → 「あたりまえだよ。私が描いたんだから。」 イ 「○○さんの絵,へたくそだね。」 → 「………………。」 ウ 「○○さんの絵,色使いがとてもいいね。」 → 「ほめてくれてありがとう。」 エ 「○○さんの絵,へたくそだね。」 → 「あなたは,もっとへたくそだ。」
◇ウを選択する。
・ ウは,相手をほめて大切にしているし,
ほめられた人は感謝しているから気持ちがよい。
・ アは,ほめられて自慢している感じがする。
・ イは,相手に対して失礼な言い方である。
・ エは,どちらにも失礼で,喧嘩になりそうな気がする。お互い嫌な気持ちになる。
3 両者にとって好ましいやりとりの話し合い
ウやエの言い方は,この表(資料2)のどこに入りますか。
◇ それぞれに指摘する。
ほとんどの子供が望ましい箇所を選択する。
4 ロールプレイ
体験することによる子供自身の気付きを重視するため,主活動として「ロールプレイ」を位置付けます。ロールプレイでは,次のことに配慮して進めることが大切です。
場面設定
・場面や状況を把握させ,何を演じるのかとらえさせる。
・演技する時間を伝える。 ↓
演技
・静かな時間をおき,役をイメージできるようにする。
・演技は一斉に行う。
・役割を交替して行う。 ↓
振り返り
・「どんな気持ちになったか」率直な感想を話し合わせる。
〈特に配慮すること〉 ○ 上手に演技することがねらいではないことを理解させる。教師は,演技について「よい」「悪い」などの評価をしない。 ○ 実名や実物は使わない。 ○ すべてが終了したら,演技の場から現実に引き戻す意昧で,手を叩く合図などして役割を解く。