すぐに使える 実践事例集 平成13年10月-104/114page

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(2)感想の発表

「けなす・けなされる」と「ほめる・ほめられる」のロールプレイを比べて,感じたこと・考えたことを発表しましょう。

◇ 感想の内容は,5(1)と重なるので省略。

指導援助プログラムを実施してみて
   
この授業を通して,ほとんどの子が「うれしくなった」(91%)と表現しています。「ほめられるという体験が人の気持ちを温かくすること」を実感していました。また,「これから気を付けたい」という感想も多く,普段の自分の生活に考えを広げている様子も見られました。子供たちは,「ロールプレイ」と「振り返り」を通して,共感的に気持ちを伝え合うことのよさを感じ取っていました。さらに,学校生活や家庭生活の場で生かされるような場を設定していくことが大切であると考えました。
   
「ロ-ルプレイ」では,抵抗を示す子ややり方がわからずとまどっている子もいました。そのような子を見つけた場合は,声をかけたり,やって見せたりして,どの子も有意義な体験ができるよう配慮していくことが重要になります。また,目的をはっきり伝え,体験して「思ったこと」や「感じたこと」に視点をあてた振り返りになるよう心がけることも大切です。
   
ここに紹介したものは,「人間関係をつくる力」を高める指導援助プログラムの中の一実践ですが,実施後には,学級内の豊かな人間関係がはぐくまれ,お互いのよさを認め合う支持的な雰囲気が醸成されました。また,担任の先生も,「固定化されがちな人間関係がオープンになってきた」「互いを思いやる言動が増えてきた」と子供の変容を認めていました。

このように意図的・計画的な実践を行うことが,一人一人の「人間関係をつくる力」を高めることに結び付きます。

なお,「『人間関係をつくる力』を高める指導援助プログラム」の詳細についてお知りになりたい方は,福島県教育センター教育相談部までお問い合わせ下さい。

〈参考・引用文献〉
○ 菊池章夫・堀毛一也編著 『社会的スキルの心理学』 川島書店
○ 相川充・津村俊充編 『社会的スキルと対人関係』 誠信書房
○ 渡辺弥生著 『ソーシャル・スキル・トレーニング』 日本文化科学社
○ 岩舩展子,渋谷武子著 『一素直な自分表現一アサーティブ』 PHPエディターズ・グループ
○ 國分康孝監修 『エンカウンターで学級が変わるPart1.2(小,中学校編)』 図書文化
○ 國分康孝監修 『エンカウンターで学級が変わるショートエクササイズ集』 図書文化
○ 『教室ツーウェイ'98年2月号臨刊166』 明治図書
○ 『福島県教育センター研究紀要Vol,27〜30』
○ 『授業に役立つ教育実践資料集(平成12年度)』 福島県教育資料研究会


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