『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-003/142page

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3 実践編 〜2学年「町をたんけんしよう」〜

1 多様な活動ができる単元の展開

 子供たちの大好きな探検学習です。また,子供たちにとって「探検」という言葉には特別な意味があるようです。そこで,「町をたんけんしよう」の単元を一人一人が思いや願いを持って主体的にやりたいことを見つけ,多様な活動ができる単元にしたいと考え,次の点に配慮しました。

 (1)単元導入 〜学習材との出会いを大切にしよう〜

 効果的な学習材との出会いをつくり出すためには,事前に子供の興味・関心の実態を確かめる必要があります。本単元においては,日常の会話や日記から子供たちの興味・関心を把握し,町探検への意欲を高めていこうとしました。

  〜2年生になって最初の生活化の授業で〜 町をたんけんしよう
T: 2年生の生活のお勉強ではどんなことをしてみたいかな?
C: 2年生になると町探検がある。
T: どうして知ってるの?
C: 前の2年生がやっていました。
C: 遠くまで行けるんだよね。
C: いつ行けるのかな。
C: 早く行きたいな。
〜「K池には巨大なコイがいる」:Sくんの日記〜
T: Sくんが「K池には巨大なコイがいる」と日記に書いてきたけど,知ってる人はいるかな?
C: ぼくも知ってます。おうちの人が言ってました。
C: はじめて聞きました。
C: わたしはK池にはバイクが沈んでいるって聞きました。
C: ええーっ。なんか怖いなあ。
C: K池に行ってみて見たいなあ。

 Sくんが日記に書いてきた「K池」は学校から歩いて5分程の場所にあり,日頃から子供たちの会話の中に登場する身近な池です。ところが,「巨大なコイ」と「沈んだバイク」の話題をきっかけにK池は「ちょっと気になる場所」「どこか秘密めいた場所」に変わっていきました。

 そこで,単元の導入においてK池周辺の自由散策を行い,その中で生まれる子供たちの気付きをきめ細かく見取っていこうと考えました。その結果,次のような気付きが生まれ,その後の「探検テ一マ」へと発展していきました。

K周辺散策における「気付き」と「探検テーマ」


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