『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-004/142page
(2)単元展開 〜試行錯誤ができる場を設定し支援の方向を明確にしよう〜
導入における一人一人の気付き及び探検テーマをもとに単元を左のように展開しました。
展開にあたって特に配慮したことは,@対象に繰り返しかかわることができる場を設定したこと,A多様な活動を促すための支援の方向性を明確にしたことです。
低学年の子供の活動は,行動することと,思考し判断し表現することが一体的に行われることが強い傾向にあります。そこで,「思いついたままやってみる」「自分の活動を振り返える」「もう一度確かめる」「やり直す」といった試行錯誤が十分にできる場を設定することが大切であると考えました。下に示すように,探検活動を終え発表会の準備に入ったところ,自分たちの探検が不十分であったことに気付き,再び探検に出かけるグループもありました。
また,「裏山探検」グループのようにはじめのうちは漠然とした活動であっても,対象に繰り返しかかわる中で,子供たちは様々な気付きや疑問を次々と生み出していきました。
教師はそれらの気付きや疑問を対話や観察を通して見取り,称賛や共感などの支援を行いました。
その結果,「裏山探検」グループの子供たちは,右に示すように活動の対象を広げたり,新たな活動を創り出したりすることができました。
〜「裏山探検」グループの見取りと支援の記録〜 C: ピンクの花が咲いてるよ。 C: こっちには花の形をした葉っぱがあるよ。 T: 葉っぱなのに花の形をしているなんておもしろいね。すごい発見だよ。他のグループの友達に教えらたら驚くかもね。 C: もっとめずらしい葉っぱを集めよう。 C: うわあ!葉っぱの落とし穴に落ちちゃった。でもぜんぜん痛くないよ。 T: たくさんの葉っぱでふかふかしてるんだね。 C: トランポリンみたいでおもしろい。 C: もっと葉っぱをたくさん集めてトランポリン遊びをしよう。