『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-005/142page

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2 「見取りと支援カード」「生活科カード」の活用

 座席表や個票を用いた「学習の記録票」や子供たちに書かせる「あのねカード」等を用いることが,一人二人の思いや願いを把握するための有効な手段であることはこれまでの先行研究の中でも明らかです。そこで,本実践ではそれらのよさを生かしながら「見取りと支援の工夫」という視点で改善を加えて活用していこうと考えました。

 (1)見取りと支援力ード 〜育てたい姿と支援の重点を明確にしよう〜

 一人一人の活動の様子や気付きを確かに見取り,個に応じた適切な支援を行っていくために右のような「見取りと支援力ード」を活用しました。カードの活用にあたっては,一人一人の実態と育てたい姿・支援の重点を明らかにし,3つの観点に沿って活動の様子や変容をエピソード的に記録できるようにしました。

 右の力ードに見られるように,子供の思いや願いは「巨大なコイを見てみたい。」→「よもぎ団子を作って食べたい。」→「町の名物探しをしたい。」と活動に没頭する中で次々と変化していきました。教師はそれらの変化を観察や対話を通して見取り,カードに記録すると共に支援の重点に基づいて支援を行いました。その結果,子供は自らの気付きのよさを自覚し,次の活動への自信を深めることができました。

見取りと支援力ード

 (2)生活科カード 〜自由な表現ができるようにしよう〜

 子供の思いや願い及び気付きの中には,言葉や行動に表出されないために観察や対話では見取れないものもあります。そのような思いや願い及び気付きを把握するために右のような「生活科カード」を活用しました。活用にあたっては,絵・文・実物の貼り付けなど,各自の好きな方法で表現できるようにしました。
 右のカードを書いた子供は,1年生の頃はハムスターもさわれないほど生き物が苦手でしたが,探検活動では牛の乳しぼりに挑戦しました。はじめのうちは怖がっていましたが,グループの友だちのリードや教師の励ましによって積極的に牧場の牛とかかわり,乳しぼりの方法や感想を生き生きとカードに表現していました。

生活科カード

牛の乳しぼりに挑戦
〈牛の乳しぼりに挑戦〉


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