『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-006/142page

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3 対話と情報交換の場の設定

 一人一人に自らの気付きのよさを自覚させ,次の活動への意欲や自信につなげるためには教師の積極的なかかわりが必要です。そこで,単元の展開の中に対話と情報交換の場を設定し,次のことに留意して対話と情報交換を意図的・計画的に行いました。

     〈対話における留意点〉

 ○ 笑顔で問いかけ,うなずきながら聴く。
 ○ 共感,称賛,承認,励ましを大切にする。
 ○ 一緒に驚き,感動し,おもしろがってやってみる。
 ○ 気付いたことを意味あるもの,価値あるものにしていく。
 ○ 気付きのよさを鮮明に自覚させる。

対話の様子
〈対話の様子〉

     〈情報交換における留意点〉

 ○ 一緒に驚いたり,もう一度子供に返してあげたりする。
 ○ 教師が見取った子供たちの活動の様子を笑顔で語る。
 ○ 一人の気付きのよさを全体に広げる。
 ○ 豊かな表情と言葉で語る。

情報交換の様子
〈情報交換の様子〉

 

4 おわりに

      「ある中学生がかつて学んだ生活科の学習を振り返って」
私が生活科から学んだことは,勇気を出すことです。他人に話しかける勇気,新しいことを見つけだす勇気を生活科から学びました。チャレンジすることもそのうちの一つです。もし私にそういうカがなかったら,今の私はありません。どの教科も大切だけれども,生活科は一番,気持ちを育てる大切な教科だと考えています。

          〜学習指導要領解説 生活編〜

 子供の学力の低下が危惧される今日こそ,「学習上の自立」「生活上の自立」「精神的な自立」の3つの自立の基礎を養うことを究極の目標とする生活科授業の質的改善が大切です。そして,そのための重要な視点となるのが「知的な気付きを深めるための単元展開及び見取りと支援の在り方」であると考えます。

 子供たちから「生活科って楽しい。」「生活科を学習してよかった。」という声が数多く聞かれ,子供も教師もますます生活科が好きになる……。ここで紹介した実践例がその一助となれば幸いです。

〈参考・引用文献〉
 ○ 文部省 『小学校学習指導要領解説』 生活編
 ○ 嶋野道弘著  『生活科の子供論』 明治図書
 ○ 嶋野道弘・吉田豊香共著 『生活科の授業をどう創るか』 明治図書
 ○  文部省 『初等教育資料』 No.666


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