『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-014/142page
資料9のような「審判用GPAl」も準備しました。ルールを理解し,「審判」として堂々と判定できることも,ボール運動には必要な力です。「GPAl」は,この点においても効果がありました。
単元終了までに,全員が最低2度は審判を経験するようにしました。
「審判をやって,ルールがよく分かった。」「自信を持って審判ができるようになった。」といった声が聞かれるようになりました。〈資料9 審判用「GPAI」〉
バスケットボール・GPAl(審判用)
1 プレーの見方
○ ボールやプレーが見えるように,サイドラインに沿って動きながら審判を行った。
(必要によってコー卜内に入って見る。)
2 判定の仕方
○ 反則等があったとき,正しく,素早く判定した。
○ どんな反則等があったのか伝えた。
(言葉で伝えてもよい。)
3 声やホイッスルの大きさ
○ プレーヤーが分かる大きさの声やホイッスルで知らせた。
〈資料10 考えた作戦をまとめたカード〉←
紹介してきた活動を積み重ねた結果,このチームは,資料10のように「誰が誰をマークをするか決めておく。」,「攻めと守りの役割を分担する。」ということを基本に作戦を考え,その動きを動線図で示すことができるようになりました。
作戦について相談する際には,冒頭で示した「作戦ボード」の利用が効果的です。
「作戦ボード」は,スチール製の空き箱にコートを描いた紙を貼ったもので,プレーヤーを表すために丸いマグネットを使用しました。
5 おわりに
6年生を対象に実践した例を紹介してきましたが,内容によっては,低・中学年でも実施可能なものがあります。また,「GPAI」も,観点や判断基準をやさしくするなどの工夫を行えば,第5学年でも実施が可能であると思います。
児童たちに,バスケットボールの特性と楽しさをもっと味わわせる授業の展開を目指してがんばりましょう!〈参考・引用文献〉
○ リンダ・L・グリフィン 他著,高橋健夫・岡出美則 監訳 『ボール運動の指導プログラム』 大修館書店
○ 高橋健夫 編著 『体育の授業を創る』 大修館書店
○ 杉山重利 他編 『新学習指導要領による小学校体育の授業(全7巻)』 大修館書店