『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-016/142page
2 授業展開
単元名:第3学年 公民的分野 「地球社会の危機を救うために」 (総時数:12時間)
〈単元のねらい〉
地球環境問題を多面的・多角的に考察し,問題の因果関係や相互関係を把握するとともに,地球環境問題に対する自分なりの考えを持つことができる。
(学級の生徒数:36名)
課題把握 地球環境問題を意識させ,単元学習の意欲付けを図る段階
動機付けと課題設定・分担 (1時間) (1) 「太陽は友達ではない!日にあたらないようにしよう」という言葉を提示し,その意味を考える。
これは,1987年オース卜ラリアの夕スマニア島で貼り出された掲示物です。生徒達には「なぜ?」という疑問が湧き上がりました。
(2) ビデオ教材を視聴する。
ビデオ教材
『未来からの電子メール 〜環境に国境はない〜』 (毎日EVRシステム)おじいちゃん,おばあちゃんの暮らしが地球を汚しました。もうきれいにすることはできません。
〜あなたの孫より〜 2050年2人の高校生に2050年の未来から,不思議なメールが届きました。そこから,2人の高校生は様々な地球環境問題を調べていきます。(様々な問題がダイジェストで映し出されていきます。)そして,このメールの宛先の「おじいちゃん,おばあちゃん」とは,実は現在の高校生であったという設定です。
(3) ビデオ教材との関連から,次のような学習課題を設定する。
2050年の未来のために…
地球環境問題について考えよう!(4) 個別追究課題を設定し問題を分担する。
個別追究課題は,『環境白書』(平成11年度版)に地球環境問題として提起されている次の9つの問題を提示しました。
@ 地球温暖化 A 酸性雨 B 熱帯雨林の減少 C 海洋汚染 D 野生動物の減少 E 砂漠化 F オゾン層の破壊 G 開発途上国の公害問題 H 有害廃棄物の越境移動 (5) 同じ問題を調べる生徒同士で,「調査班」を編成する。(4人一組:計9班)
まず生徒の希望を名札マグネットで示させます。その後,教師が生徒の実態(特性,人間関係等)を考慮し人数を調整しました。4人一組の「調査班」が9つ出来ました。(6) 右のような学び方カードを用いて,この単元の学習の流れと進め方を確認する。