『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-018/142page
4 第二次交流活動 (1時間)ウーリー・ウェブ
(5) 学び方カードでウーリー・ウェブの進め方を確認する。
ウーリー・ウェブ
ウーリー・ウェブとは,毛糸を使ってつながりを実感するアクティビティーで,環境教育学者のジョン・フィエンが日本に紹介しました。ERIC国際理解教育センター編著『参加型で伝える12のものの見方・考え方』(1997)に詳しく記載されています。
(6) ウーリー・ウェブによる交渉活動を行う。
第一次交流で不十分だった点について質疑応答をし,最後に交渉係が問題のつながりについて説明しました。対応係が同意しない場合は,出直しとなるわけですが,前に一度交流していたことや調べ学習が十分に行われていたことから,ここで出直しになるケースはほとんどありませんでした。毛糸を用いたこの手法によって,活動自体の楽しさも加わり,生徒は生き生きと活動していました。複雑に絡み合った毛糸をまたぎながら移動し,熱心に交渉を行う生徒の姿が印象的でした。
第二次交流のやりとり例
対応係 :「日本での酸性雨の被害は?」
交渉係 :「今では欧米並の酸性雨が降っています。都市部や工業地帯の被害がひどいように、思われがちですが,意外にも東北や北海道における酸性度が高くなっています。」
対応係 :「それはなぜですか?」
交渉係 :「ジェット気流や低気圧によって運ばれてくるからです。」
(中 略)
対応渉 :「それでは,わたしたちの問題とのつながりについて説明してください。」
交渉係 :「はい。酸性雨が降ると森林が枯れます。森林が枯れれば,CO2を減らすことができなくなり,地球温暖化につながります。」
対応係 :「分りました。」(納得)