『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-019/142page
(7) 交渉が終了したら,毛糸の状態を全員で観察する。
何人かの生徒が感想を発表しました。複雑に絡み合った毛糸の状況は,まさに今の環境問題の現状であることを実感することができました。
(8) 調査班に戻り,環境問題のつながりを右のような相関図にまとめ,問題相互の関連性を確認し合う。
(9) 授業の最後に,毛糸を切らないようにほどきながら片付けをする。
この大変な後片付け作業が,環境問題の解決は実に難しいということを表しています。
生徒の感想
○ あんなに毛糸がグチャグチャになるとは思わなかった。一つの問題がいろいろな問題につながっていてびっくりした。どこから解決していけばいいのか,すごく難しい問題だ。
○ それぞれの問題には様々な原因があり,一つの問題が解決されてもしょうがないと思っていた。でも,問題同士がつながっているということは,一つの問題が良い方向に向かえば,他の問題にもいい影響が出てくると思えるようになった。
Point:ウーリー・ウェブ
調べてまとめるだけでは,全体的なイメージにはなかなか結び付きません。この活動で,生徒たちは問題の関連性を体験的に理解することができました。◆ 視覚的な効果をねらい,毛糸の色は,砂漠化班は黄色,地球温暖化班は赤というように,それぞれの問題を象徴する色になるよう工夫します。
◆ ウーリー・ウェブでは,交渉の際,生徒が公正な判断を下せるかどうかが重要になります。興味本位に走ることのないように,事前指導の徹底や日頃からの人間関係づくり,話し合い活動の積み重ねが必要であると考えます。