『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-020/142page

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(10) 「調査班」の中でグループ活動を振り返る。

 班活動の節目に,右のような「ふりかえりカード」で班の活動状況を点検し,次の活動へのステップになるようにしました。「各係相互の情報交換がとてもよくできた。」「自分たちの問題の深刻さを他の班の人に分かってもらえた。」「相手に分かりやすく伝えられなかった部分もあった。」「環境問題をもっと真剣に考えていかなければならない。」等の記述が見られました。

〈ふりかえりカード〉
ふりかえりカード
単元の後半:制作・交流活動 
     個人新聞の制作という具体的な手段で,自分の調べてきたことや自分の考えを表現する段階
第一次制作活動(1時間)B5サイズの新聞制作

(1) 学び方カードで今後の学習の流れを確認する。

(2) 新たに「新聞制作班」を編成する。

 右の図のように,9つの「調査班」からそれぞれ1名ずつで構成する「新聞制作班」を9つ作ります。新聞は個人新聞なので,基本的には一人一人の作業になりますが,この「新聞制作班」に組み替えた理由は,次の2点からです。

 @ 9つの問題のメンバーが1名ずついるので,自分の問題以外にも8つの問題の資料を手に入れることができます。単元前半で作成した資料や記録を共有し,新聞づくりに最大限に生かすことができます。
 A 問題の分からない部分や新聞のつくり方に関する情報交換を行うことができます。

新たに「新聞制作班」を編成する。

   社会科新聞

 社会科新聞の制作は,資料活用の技能,思考力,判断力,表現力など社会科で身に付けるべき能力を育成することができる有効な手段の一つです。今回は,1回目はB5サイズで下書き的に制作し,交流活動後の2回目は,B4サイズで個人新聞を完成させるようにしました。1つの単元で新聞を2回制作することで,社会認識を深めさせるとともに,学習技能を向上させることをねらいとしました。

     Point:クロス・セッション
 クロス・セッションでは,双方向で交流関係が成立するため,考えの練り上げはもちろん,責任感,協力性,連帯感も育成することができます。

◆ 生徒の実態に応じて意図的・弾力的にグループを編成していくことが大切です。生徒一人一人の実態を考慮して教師が編成します。各班にリーダー性のある生徒や社会科の得意な生徒を配置したり,上位生徒と下位生徒を組み合わせたりします。下位生徒は上位生徒の援助を受けて学び,上位生徒も教えるということを通して,自己の学びを向上させていくことでしょう。
◆ クロス・セッションは,異なる視点や立場から追究することで課題を解決することのできる単元 の学習に適しています。生徒の実態を考慮して,適する単元を選定する必要があります。


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