『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-021/142page
(3) B5サイズの個人新聞を制作する。
学び方カードで新聞制作のポイント,視点を確認してから制作活動に入りました。
@ B5版で3段抜きを基準とする。
A 交換した資料,記録を十分活用する。
B 主題,誰に読ませたいのかを明確にする。
C 資料の丸写しではなく,自分なりに解釈・吟味して自分の言葉で書く。
D 見やすく,読みやすく,説得力のあるものにする。
(タイトル,見出し,レタリング,構成の工夫)
E 自分の考えや主張を必ず入れる。
Point:学び方カード
調べ学習や体験的な活動では,「学び方カード」の作成・活用が有効です。◆ 学習技能の指導では,ともすると方法的なものに偏りがちですが,内容的な事項と合わせて、「何を」「どのように」をセットにした学び方が大切です。
◆ 学び方カードをいつまでも当てにしたり,いつも示された方法でしかできなかったりでは,「学習の自立化」は図れません。あくまでもきっかけづくりとして活用していくことが大切であると考えます。
2 第一次交流活動(1時間)個人新聞の相互評価 3 第二次制作活動(2時間)B4サイズの新聞制作
(4) 自分の新聞の自己評価をする。
右の評価カードに自分の訴えたかったことを記述し,新聞らしさ,見出しの工夫,わかりやすさ,自分の考えの4つの観点を4段階で評価しました。
(5) もとの「調査班」に戻り,相互評価し,自分の新聞の見直しを図る。
「調査班」の4人の中で,自己評価と同じ観点から相互評価をしました。この段階では,自分の考えや主張が明確でないなどの改善点が多く見られましたが,自分とは違う視点や考え方に接することで,次の第二次制作への意欲が喚起されました。さらに,新聞制作の過程で生まれた疑問点や新たな発見についての話し合いにも発展し,「自分はこう思う。」という発言が多く聞かれました。
(6) 「先生と交流しよう」という時間を設定し,教師との意見交流を行う。
各調査班と教師の意見交流も行いました。生徒たちは,教師の指摘によって新聞づくりの新たな視点を見つけることができました。
(7) B4サイズの個人新聞を制作する。
この段階でB4サイズの個人新聞を完成させます。大きさが倍になり,何を書こうかと迷うところですが,この時点で問題意識も高まり,制作の視点も明確になった生徒が多く,一気に仕上げていく姿が見られました。