『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-025/142page
中学校 英語科
生き生きと自己表現活動に取り組ませてみませんか
〜話す活動の工夫を通して〜 五 十 嵐 逸 郎
1 はじめに
生徒は,中学校に入学し,新しい教科として「英語」に出会います。
英語という言語とその背景にある文化などへの興味・関心に満ちあふれ,「英語を話せるようになりたい,いろいろな国の人とコミュニケーションを図ってみたい。」などの夢や希望をもって目を輝かせて学習に取り組みます。しかし,学年が進むに従って,「むずかしい,めんどうくさい。」などの理由から英語を学習することに抵抗を感じ,表現することに消極的になる傾向が見られます。生徒は,自分の思いや考えを表現し,伝えることができた時に,英語で表現する喜びや楽しさを味わうことができます。そのような「生き生きと自己表現しながら,表現することの楽しさや喜びを味わうことができる授業」をつくってみませんか。
2 生き生きと自己表現活動に取り組ませるために
今回の実践では,発表形式の話す活動を工夫することで,自己表現力を向上させ,生き生きと自己表現活動に取り組ませたいと考えました。
そこで,以下のように,授業を構想しました。1 表現意欲を喚起する活動の工夫
授業を構想するにあたって,まず,生徒たちの「おもしろそうだな,やってみたい。」という表現意欲を喚起する活動を工夫しようと考えました。
アメリカの小学校などでは,表現力の育成をねらいとして「Show and Tell」が実践されています。そのメリッ卜を最大限に生かすことで,生徒の表現意欲を喚起し,主体的で創造的な言語活動が展開できると考えました。
Show and Tellとは メリット
テーマとするものを実物や絵,写真などで提示し,それらを紹介する発表形式の表現活動
「紹介するもの」を提示することで
○自分の伝えたいことを常に明確に意識できる。
○自分が伝えようとすることをまとめやすい。
○聞き手も集中して発表を聞くことができる。2 発表までの過程を大切にした活動
よりよい発表をさせるためには,発表までの準備段階が大切であると思います。発表に至るまでの過程で,原稿を書いたり,発表の練習をしたりする活動を通して自己表現力が向上し,成就感や満足感を味わえる発表にすることができると考えました。
そこで,発表までの活動を重視し,その活動をスモ―ルステップ化し,段階的に発表に結びつけていくことにしました。上記のことを踏まえ,中学3年生を対象に,「My Treasure(私の宝物)」という発表テーマで,