『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-032/142page

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4 おわりに

   実践終了後の生徒の感想より

◎ 最初は,いやだと思ったけど,自分の言いたいことがだんだんまとまってきて楽しくなってきた。

◎ 英語で書くのに苦労したが,新しい言葉や言い方がわかった。

◎ 発表する前に,何度も読んで練習したので、安心してできた。

◎ 発表するとき,すごくドキドキした。でも,何回もリハーサルしたから,聞いている友達のことを見てうまくできたと思う。

◎ 英語を話すことに興味を持った。

◎ 「紹介するもの」を見せて話してくれたから,友達の言いたいことがよくわかった。

 これらの感想からも生徒が表現する喜びや楽しさを味わったことがうかがえます。また,発表原稿作成時に既習事項はもとより未習の語や慣用表現を積極的に活用したり,発表時に,ジェスチャーや表情を交えた様々な工夫をするなど,積極的に自己表現活動に取り組ませることができたと思います。

 また,Show and Tellのメリットの一つである「紹介するもの」を提示しながらの発表は,聞き手の興味・関心を引き,発表内容をより聞きやすくさせ,リスニング能力向上に役立つ活動にもなりました。

 今回の実践では,発表までの活動をスモールステップ化したことで,発表の構想を十分に練り上げ,適切な表現を用い,内容の構成に配慮した発表原稿を作成する活動にすることができました。

 さらに,今回の活動は,高等学校におけるオーラル・コミュニケーションの授業で取り扱われる「スピーチやプレゼンテーション」活動にもつながっていくと考えます。

 自己表現力は,一時的な活動で育成されるものではありません。長期的な視野に立ち,日常の指導を含め,意図的・計画的な指導を通して育成されるものです。自己表現活動を年間指導計画や題材の指導計画に位置づけ,計画的・継続的に取り組ませる必要があると思います。

 

<参考・引用文献>
 ○ 文部省 『中学校学習指導要領(平成10年12月)解説−外国語編−』
 ○ 松本 茂 編著 『生徒を変えるコミュニケーション活動』 教育出版
 ○ 肥沼 則明 『生き生きとした授業をつくるこんな活動・こんな教材』 英語教育 大修館書店


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