『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-034/142page
3 授業の実際と指導の工夫
(1) 三味線の導入
まず,三味線の歴史や三味線の種類と音楽などについて理解する学習を行いました。
三味線伝来の歴史について(所変われば……)
三味線が現在の形にいたるまでの歴史には興味深いものがあります。日本の代表的な楽器ですが,外来の楽器を改造して完成しました。最初は中国から蛇皮を張った三弦(サンシェン)が琉球(沖縄)に伝わり三線(サンシン)となりました。その後,さらに堺の港(大阪)に伝わりましたが,奏法や楽曲などは伝わらなかったようです。
琉球の三線は牛の角で作った爪で弦を弾きますが,三味線は最初にその楽器を手にしたのが琵琶法師であったため,琵琶の奏法を応用して撥(ばち)で弾くようになりました。また,蛇皮が入手できなかったため,猫(または犬)の皮を張るようになりました。
三味線の種類と主に演奏される音楽について
三味線は棹の太さにより音色が異なり,主に演奏される音楽の種類も違います。
細棹(ほそざお)……「長唄(ながうた)」(歌舞伎の音楽)など
中棹(ちゅうざお)……「地唄(じうた)」(箏と三味線の伴奏による唄)など
太棹(ふとざお)……「義太夫節(ぎだゆう)」(人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)の語り)や津軽三味線など次は,実際に三味線を見ながら構造や各部の名称などについて学習しました。