『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-037/142page
次に,鳴りもの(大小の鼓)パー卜の口唱歌について学習しました。
鼓の口唱歌について
大鼓では「チョン・ツ・ドン」,小鼓では「チ・タ・プ・ポ」などを使いますが,能で使われるようにあまり厳密に打ちわけたりしません。
また,基本的に小鼓の手順(リズム)を唱えると,自動的に大鼓の打つタイミングが決まってきます。歌舞伎の囃子(はやし)で「チリカラ拍子」と呼ばれる「チリカラチリ卜ト」の「チリ」や「ポンチョチョ」の「チョ」以外の「ス」や「ツ」は小鼓の休符にあたり,大鼓を打つ箇所です。手順や強弱はそれぞれの流儀によって多少違い,いわゆる決定版のようなものは存在しません。
授業では,下の譜の口唱歌を唱えながら机をたたく活動をしました。左手で大鼓パート,右手で小鼓パー卜を,かけ声も入れながらたたきました。
また,合間にかけられるかけ声は,奏者同士のテンポや間の取り方などを合わせるうえで,非常に重要な役割を果たすことも感じさせました。
※ この口唱歌つきの譜は,邦楽教育振興会理事長・茅原芳男氏,小鼓奏者・望月太喜之丞氏の協カにより作成しました。