『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-049/142page
4 既有概念の診断
(1) コメット法,描画法を用いた既有概念の調査
まず児童が溶解についてどのような概念を持っているのかを,図のようにコメット法と,描画法を併用して,次の3つの命題について調査しました。
○ 土に水を入れて,よくかきまぜると,土は全部溶けるよ。
○ 塩を水にとかすと,塩はなくなるよ。
○ 砂糖を水にとかしてしばらくすると下の方があまくなるよ。
※ コメット法とは,正誤だけでは把握しきれない児童の多様な考え方をとらえようとする評価法です。ある命題をキャラクターが話しかけ,これに対して4種類の選択肢から自分の考えに近いものを選び,その理由を記述する評価シートを用いて行います。
※ 描画法とは,目に見えるものや見えないものを絵に描くことで,自然現象の予測や説明をするなどの思考を促す道具の一つです。教師にとっては,児童の考えとその根拠を知ることができます。
(2) 既有概念の分析
3つの命題についての調査で,本学級の児童が持つ溶解に関する概念が,次の通り明らかになりました。
この結果から,単元の学習で社会的な知になりうる内容について,次の点を上げました。
○ 38%が「撹拌すると小石以外は溶ける。」と考えている。 → 水に溶けるとはどんなことか。