『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-050/142page

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 ○ 24%が「食塩が水に溶けるとなくなる。」と考えている。 → 水に溶けるとものはなくなるか。
 ○ 38%が「食塩は水に溶けない。」と考えている。 → 水に溶けると,ものはどうなるか。
  また,意見が対立しないために,社会的な知になり得ない内容として,次の点を上げました。
 ○ 95%が「砂糖水では下が濃い。」と考えている。 → 水に溶けたものは均一になるか。

 

5 概念の診断をもとにした授業構想の立案

(1) 創造される「個性的な知」の視点

 本単元では,児童一人一人が,それぞれの既有概念をもとにして,次のようにして「個性的な知」を創造していくものと考えました。
 ○ 一人一人が,様々な活動を通して,ものが水に溶けることについて考えを深めること。

 

(2) 創造される「社会的な知」の視点

 既有概念の分析から,授業によって「社会的な知」は,次の視点から創造されるものと考えました。

 ア 「溶ける」とはどのような状態を指すのか。
  水に物質を入れて撹拌したときに,次のような状態になるものがあり,これらのうち「とける」といえるものはどれか。
  ・ ものが形を変えずに沈殿あるいは浮上し,ものがろ過によって分離できるもの。
  ・ 液全体が均一に濁り,ものがろ過によって分離できないもの。
  ・ 液全体が透明になり,ものが見えなくなるもの。

 イ とけて見えなくなったものは,消滅したのか。
  ・ 「溶けた」ことは「なくなった」ことか。
  ・ ものが見えなくなっても,存在を確認できるのか。

 ウ 溶けたものは,どんな形態で存在するのか。
  ・ 溶けたものには重さやかさ(体積),形や大きさがあるか。
  ・ いくらでも溶けるか。お湯で溶かすとどうか。
  ・ 溶けたものは,また取り出すことができるのか。

 

(3) 学習計画

 本単元で創造される「社会的な知」の視点に基づいて,次のような学習計画を立てました。
 第1次「ものが水に溶けるとはどんなことか」
  ・ 水に完全に溶けるものは何か。
  ・ 水に溶けていることを確かめよう。

ものの溶け方


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