『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-053/142page

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7 「概念検討型の授業」の実践による児童の変容


(1) 理科に対する意識

理科がすき

 左のグラフは,「理科がすき」かどうかについての,実践の事前と事後の児童へのアンケートによる意識調査の結果です。
 このグラフから「概念検討型の授業」によって,理科が好きという児童を増やすことができたといえます。

 また,下は授業後の児童の感想です。本単元で行った「概念検討型の授業」について,全員が肯定的な感想を述べていました。特に顕著なのは,自分たちで考えた実験を行うことや予想を立てることに対して,楽しかった,分かりやすかったと述べている児童が多いことです。

 これらのことから,理科の授業に対する意識が向上的に変容した児童が多かったといえます。

 ○ 最初理科は嫌いだったけど,このいろいろな実験をやって,すごく楽しかった。
 ○ もうこの勉強はしないと思うけど,また何かの時にこの勉強を思い出して,自分の栄養にしていきたいと思う。
 ○ いろいろなことをみんなで考えたり分からなかったこともあったけど,みんなと協力して実験したりして,とても楽しかった。
 ○ いろいろ考えたり実験をすることが多かったので,とても楽しい単元でした。予想を考えて,その予想が当たっているかはずれているかも,ドキドキして楽しかったです。

 

(2) 課題設定の能力

実験や観察の課題は自分で設定できる

 左のグラフから,課題を自分で設定できると答えている児童が多くなっていることが分かります。
 また,下の授業後の感想を見ると,ものの溶けかたに対して,関心が深まり,新たな課題を持ちながら学習を進めていった様子がうかがえます。

 ○ もののとけかたの授業は簡単だなあと最初思ったが,結構奥が深いんだなあと思った。
 ○ いろいろな実験をして,いろいろなやり方もしてとっても楽しかった。結晶づくりも楽しかった。もっと他にも,塩などの結晶を作ってみたい。
 ○ ものが溶けるということは,普段あまり考えていなかったけど,授業を習っていると,なるほどな,不思議だなと思うことが多くなって,とても楽しかった。実験をやるのもわくわくして面白かった。

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