『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-054/142page

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(3) 考えを説明する能力

実験や観察の方法や結果を話すことができる

 前はなくなたったと思ったんだけど,今は塩のある味説になりました。
  (食塩の溶けている様子のモデルを図示。)
 少しだけ回りがとけても,中の方は少しだけ固いかも知れないから,少し残っていると思う。

 グラフから,自分の考えを話すことができるようになった児童が増えていることが分かります。

 また,中段に示したものは,「まったくあてはまらない」から「あまりあてはならない」に変容したある児童の,「考え」の部分のノー卜への記述例です。これを見ると,自分の考えを話すことについて「あまりあてはなまらない」と答えていても,文章や図で自分の考えが説明できるようになったことが分かります。

 さらに,下段に示した児童の感想でも,協同で考えたり,悩んだりしたと述べていることから,グループの中で自分の考えを説明し合えたということがうかがえます。

 ○ どういうふうに実験をやればいいのかな,溶けるとどうなるのかなと考えたりして,みんなで悩んだりしたけど,この勉強をしてよかった。

(4) 考察やまとめの能力

考察やまとめでは学習や体験をもとに考える

 左のグラフから,考察やまとめを学習などをもとに行うことができるようになった児童が増えていることが分かります。
 また,児童の感想の「考えて分かった」「実験をして分かった」「まとめたりして楽しかった」を見ると,実験の結果から,考察したりまとめたりすることに対して,前向きな姿勢が見られるようになりました。

 ○ 最初は分からなかったけど,一つずつ考えていき,分かっていきました。
 ○ いろいろな実験をして分かったことがたくさんあった。
 ○ 実験をしたり,それをまとめたりして,すごく楽しい授業でした。

 

8 「個性的な知」の創造過程の考察

 児童の考えの移り変わりを見ると,いろいろなタイプに分類することができ,そのときの自信の度合いを調べることで,「個性的な知」の創られる過程がある程度見えてきます。以下に,それぞれのタイプの考えと自信の移り変わりのグラフを提示し,知の創造のされ方を考察してみます。


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