『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-055/142page

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(1) 一貫して「食塩はある」という考えのタイプ(24%) 

 このタイプには,「食塩はある」という考えの中で,考えに揺らぎは見られるものの,一貫して高い自信を持っている児童が多いのです。

 したがってこのタイプの児童は,集団による「社会的な知」の創造によって,「個性的な知」をさらに強化することができたものと考えられます。

一貫して「食塩はある」という考えのタイプ(24%)

 

(2) 「食塩はない」から「ある」という考えに変わったタイプ(55%)

 このタイプの児童は,多くが事前に「食塩はなくなった」「食塩は溶けない」という考えを持っていました。また,考えを変えた時点が「食塩は水の中にあるか」という課題を追究した第2次に集中しており,同時に自信の高まりも見られました。

 したがってこのタイプの児童は,集団による「社会的な知」の創造に伴って,自らの考えについて見直しが図られ,より合理性を付加した「個性的な知」が新たに創造されたものと考えられます。

「食塩はない」から「ある」という考えに変わったタイプ(55%)

 

(3) 「食塩はない」から「ある」へ,再び「ない」へ変わったタイプ(13%)

 このタイプの児童は,全員が事前に「食塩はなくなった」「食塩は溶けない」という考えを持っていました。そして,いったん授業を通して「食塩は溶けても残っている」という考えは持つことができたものの,最終的には「食塩はなくなったが,まだある。」「食塩はなくなったが,また復活する。」という表現をしています。しかも,この表現に矛盾を感じません。また,考えを変えたときの自信の上昇があまり見られない傾向があります。

 したがって,このタイプの児童は,いったん集団による「社会的な知」の創造の合意に加わったものの,実は容易には受け入れられなかったことを意味しています。つまりこの場合,「社会的な知」の創造が必ずしも,妥当な「個性的な知」を創造したとはいえなかったのです。しかし,このよう

「食塩はない」から「ある」へ,再び「ない」へ変わったタイプ(13%)


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