『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-087/142page

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〈参考〉

1 pH(水素イオン濃度指数)

 ○ pHは,水溶液の酸性やアルカリ性の強弱の程度を表すのに用いられる。
 ○ pHの差が1ある場合,水素イオンの濃度の差は10倍となる。
 ○ pHが5.6以下の雨を酸性雨と呼んでいます。

pH(水素イオン濃度指数)

 

2 土について

(1) 土の構成物質

  土はさまざまな大きさの粒子(礫,砂,粘土など),有機物,腐植などから構成されている。
        植物や動物の遺体が土中の微生物の作用を受けて分解・合成されたもの

(2) 土の酸性化

  酸性雨が降ること,土が酸性になる肥料を施すこと,動植物の遺体が分解することなどにより,土は酸性化する。  酸性雨が降ること,土が酸性になる肥料を施すこと,動植物の遺体が分解することなどにより,土は酸性化する。

(3) 土の酸性化による影響

  ○ 植物が必要とするカルシウムイオンなどが溶出し,植物にとって必要な栄養素が土中から減少する。
  ○ 土中からアルミニウムイオンが溶出し,植物の成長を阻害する。
  ○ 生育環境のpHの変化により,ある単一種が減少するだけでなく,共生的な関係をもった種にまで広く影響が及ぶ。
  ○ 森林被害,湖沼の酸性化などにつながる。

 (4) 土の緩衝作用

  酸が土に浸透した場合,つぎのような緩衝などにより,土に含まれる水の水素イオン濃度が低下する。

   ・炭酸塩による緩衝      CaCO3 + 2H+ ⇔ Ca2+ + CO2 + H2O
   ・陽イオンの交換による緩衝 粘土表面−Ca2+ + 2H+ ⇔ 粘土表面−2H+ + Ca2+

 なお,日本で顕著な酸性雨被害が発生していないのは,北欧や北米の土に比較し,日本の土の緩衝作用が大きいことが理由の一つとして考えられている。

 

3 福島県の酸性雨の状況

 県内では、現在、pH4.5〜5.0程度の雨が観測されている。これは、全国的に観測されている結果とほぽ同程度の酸性度となっている。


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