『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-096/142page
(5) 細胞に関する考察 (第5時)
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考察している様子@ 他の動物や植物の細胞周期との比較
資料をもとに培養細胞と他の動物や植物の細胞と比較し,共通点や相違点についてまとめたり,細胞周期についてまとめたりする。A 新聞記事等を利用し,培養細胞技術の利用について知る
ES細胞や培養技術,クローンなど最近の生物の話題と関連付ける。
5 おわりに
培養細胞を用いた授業の後の生徒の感想などを見ると,体細胞分裂を直接観察することで,生徒の興味・関心が高まるとともに,生徒が主体的に取り組んでいたことがうかがえます。また,体細胞分裂をより実感の伴ったものとして捉え,理解が深まったと考えられます。
生徒の感想
・ 自分専用のプレパラー卜をつくったことがやる気につながった。実際に動いている細胞を見ることができて,今まで教科書だけで学んできたものはこれだったのかと感動した。
・ リアルタイムで細胞分裂を見ることができたことにとても驚いた。実際にこの自分の目で見ることによって,より強く,印象深く捉えることができた。
・ 生きた細胞を見て,細胞がどのように分裂していくのかということなど,とても理解が深まった。次の時間に細胞がどのように成長しているかなど,実験の時間がとても待ち遠しくなっていったし,新聞やニュースなどの記事への意欲も高まった。
<参考・引用文献>
○ 羽曽部正豪 『生物教材としての動物細胞:魚類細胞からのアプローチ』 日本生物教育会第56回全国大会・実験講習 講座テキスト
○ 羽曽部正豪 『生物・環境教育教材として使用可能な脊椎動物由来の培養細胞キットの開発』 科学研究費補助金[基盤研究(B) (2)展開研究] 研究成果報告書
○ 池永薫,皆川敬志,白戸孝明,羽曽部正豪 『生物教材としての培養細胞 −魚類細胞によるアプローチ−』 『遺伝』 裳華房
○ 羽曽部正豪 『誰でも使える動物細胞:魚類の培養細胞キット使用法』 『化学と生物』 日本農芸化学会
[培養細胞の問い合わせ先]
東京水産大学・資源育成学科 助教授 羽曽部正豪
〒108-8477東京都港区港南4-5-7
Tel:03-5463-0550, Fax03-5463-0554
e-mail:hasobe@tokyo-u-fish.ac.jp