『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-103/142page
小学校・中学校・高等学校 家庭科・総合
命のはぐくみを体験的にとらえる教具
栗 村 美 智 子妊婦の身体的な特徴や胎児の発育に関する学習は実感に乏しくなりがちです。そこで,手軽に活用できる教具を紹介します。
疑似体験をしたり,実物大の胎児に触れることで,胎児の環境としての母体の健康管理の重要性,妊婦への心配り,そして生命の尊さを認識させることができるでしょう。簡易妊婦疑似体験教具
1 特 徴
・ 妊婦体験教具は市販されているが,高価なため疑似体験学習を展開するのに十分な数を揃えることは難しい。これは身近な材料を用いて安価に,さらに,難しい技術もいらず手軽に製作できる。
・ エプロンを着けるように,誰にでも簡単に着装できる。
・ 着装により,身体変化やそれに伴って制限される行動を疑似体験することで,妊婦への理解を深めサポートする気持ちを育てることができる。2 材料
・ 布 (ソフ卜デ二ム,帆布などのやや厚手で丈夫なもの)
幅 70cm × 長さ 80cm
・ 綿テープ 幅 3.5cm × 長さ 300cm
・ 綿ロープ 直径 1cm × 長さ 150cm
・ Dカン 3.5cm 2個
・ 和装用伊達締め (マジック夕イプ・Lサイズ) 1本
・ 重り (食塩,砂糖,米,味噌,水槽用小砂利,手芸用ぺレッ卜ビーズ等)3 作り方
(1) 布の縦方向に型紙の←→を合わせまち針で止める。
(2) 型紙の周囲に縫い代(縫い代寸法:胸元2cm,わき1cm,すそ4cm)をしるし,布を裁つ。
(3) 裁断した布の表に,型紙の周囲の線,ぬいどまり位置の印をつける。
(4) 型紙を布からはずし,裁ち目にロックミシンをかける。
(5) 裁ち落とし布から直径3cmの丸い力布を4枚切り取る。