『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-117/142page
情報ネットワークの教育的活用
ネットワークの特性を活かした体育用ソフトウェアの開発
〜児童一人一人が短なわとび運動に楽しく取り組み,体力の向上を図るために〜 馬 場 秀 之
1 はじめに
国のlT政策の下,教育界でも情報教育に関する様々なプロジェク卜が推進されつつあり,ネッ卜ワークの特性を活かし,情報社会にふさわしい教育用コンテンツ(ソフ卜ウェア)の開発が,今まさに望まれています。
しかしながら,体育科の実技面で活用できるソフトウェアは少なく,コンピュータや情報ネットワークが,体力の向上を図るために活用された例は極めて少ない状況にあります。この状況は,体育用ソフトウェアの開発をはじめた9年前からほとんど変わっていません。
一方,その当時開発した短なわとび練習用ソフ卜「なわとびコーチ」は,子ども達の体力向上に一定の成果をあげることができましたが,ス夕ンドアローンコンピュー夕用であり,当時のハードウェア,ソフトウェアの機能的限界から,主にデータの入力用インターフェース部分とデー夕の共有面に課題を残しました。
そこで,子ども達が楽しみながら自ら進んで体力向上に励むことができるよう,ネットワークの特性を活かした体育実技用ソフトウェア「なわとびネットワークシステム」の研究開発を,最新のコンピュータ環境下で行いました。
2 研究の内容
(1) なわとびネットワークシステムの概要
本システムは,ハードウェア部分の「@ジャンピングボード」及び「A無線スイッチ」と,ソフトウェア部分の「Bなわとびネットワーク」の3つの組合せからなります(図1)。@とBは単独使用も可能ですが,システムとしての使用をお奨めします。
本システムは,以下のような機能を持ちます。
@ 児童一人一 人の短なわとびのカに対応
A ジャンピングボードによる跳躍回数の自動カウン卜機能
B 到達レベル別にKR情報を提示する機能
C 記録をグラフ化する機能
D データの一元管理と共有化の機能