『生きる力』を育てる指導と評価の 実践事例集 平成14年9月-141/142page

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班ノート

E 担任と保護者のパイプをつくる
 班ノー卜を読んだある生徒の母親から担任へ手紙が来たことがありました。担任が自分の娘に温かいコメントを寄せていることに対し,担任へのお礼と励ましを伝えるものでした。その母親は普段から教育に対する関心が高く,発言は時により学校に対する批判として取られることもありました。班ノー卜での担任の配慮が母親と学校との信頼関係の構築に寄与したものと考えます。

  〜母親からの手紙(抜粋)〜

…ところで,この手紙を差し上げた主旨なのですが,娘が家に持ち帰った「班ノー卜」の件です。娘が何か楽しそうに書き込んでいるのを見て,「お母さんが見てもいいかな?」と聞くと,「いいんじゃないかな」と言ったため,見せて頂きました。まず,一目見て驚いたのは,先生のコメン卜の量です。それだけで先生の一生懸命さが伝わって来ました。…先生は本当に偉いと思います。やる気がないとはっきりわかる子の文にも,心を砕いてコメントを書かれています。頭が下がる思いです。…でも,先生のコメントを見て救われた思いです。人間は,たった一人でも自分を認めてくれる人がいればうれしいし,またがんばることができる。私はそう思っています。先生が公平な眼で見て下さっていることが改めてわかり,胸のつかえがとれました。…

 

3 実践の成果と課題

(1) 実践の成果

@ 事後意識調査(12月調査)から
 前出のグラフ2((事前)とグラフ3(事後)を比較すると,「学級のみんなと一緒に活動したい」と思っている生徒が増加しており,学級としての一体感が育っていることがうかがえます。また,グラフ4から多くの生徒が「班ノー卜をやって良かった」と思っており,その主な理由から,班ノートを実施することで学級成員の相互理解が深められ,学級のまとまりをつくる上で効果があったと考えます。

【学級づくりに関するアンケー卜調査】
学級づくりに関するアンケー卜調査

学級づくりに関するアンケー卜調査


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